行政 : 各省庁のNPO関連予算要求について
中央官庁の平成11年度(1999年度)予算の概算要求で、経済企画庁、建設省、自治省の3省庁が、NPO法関連の予算要求を提出した。
予算の概算要求は、99年度の予算を大蔵省が立てるために、各省庁が要求を出すもの。8月末に締め切られた。
その概算要求において、NPO法に言及している要求項目を調べたところ、3つの省庁から要求があがっていることが分かった。先日このニュースで取り上げた建設省の交通渋滞対策プロジェクトも入っている。
ただし、NPO法に言及しないでも、実施内容においてはNPO法に関係するものは他にもあると思われる。
3省庁の要求の概要は以下のとおり。
◇経済企画庁
「平成11年度のボランティア活動促進に要する経費について」
平成11年度概算要求においては、ボランティアや市民活動団体の自主性を尊重しつつ、その活動の環境整備を促進するため、ボランティア活動促進事業に要する経費として145百万円を要求している。
具体的には、以下のとおり。
(1)特定非営利活動促進法の施行に伴う体制整備
本法においては、経済企画庁は、二以上の都道府県に事務所を持つ特定非営利活動法人の認証、監督等を行うこととなるため、所轄庁として、引き続き、事務処理の体制を整備する。
(2)市民活動団体等に関する調査
国内及び外国の市民活動団体等の活動実態や制度に関する調査などを実施する。
等
◇自治省
「平成11年度地方行財政重点施策 2-2 地域における共生」
[
住民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動(NPO活動)等の支援 ]
住民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動(NPO活動)等の健全な発展を促すために、地方公共団体が行う施策を支援することにより、共生型社会の形成を積極的に推進する。(具体的な予算要求額は不明)
◇建設省
「NPO組織による交通円滑化活動との連携・支援」
1.内容
計画の策定や施策の実施にあたっては、民間組織による交通円滑化活動との連携を図るため、交通円滑化組合(TMA)の設立・運営に関するガイドラインを提示し、ボランティアグループ等の民間組織の活動を促進する。
特に、NPO法に基づくTMAに対して、調査の支援などにより連携を図り、社会実験などの活動を推進する。
[予算要求]
社会実験調査費の新設
2.必要性
新道路整備五箇年計画の中でも「交通需要マネジメント(TDM)施策の推進」が示されている。このTDM施策推進は、行政だけの力では実効を上げることが難しく、民間及び市民の協力が不可欠なものである。そのため、NPO法(特定非営利活動促進法)に基づく交通円滑化活動を行うボランティアグループに対して、その活動を支援し、永続的で実効のあるTDM施策を定着させることが必要である。
3.その他
社会貢献活動を行う民間団体に対して、社会的位置づけを与える(法人格の認証を行う)法律として、平成10年3月25日に、特定非営利活動促進法(NPO法)が公布され、平成10年12月1日に施行される。
現在、日本の各地でフレックスタイムやパークアンドバスライドの実験が実施されているものの、本格的な実施には至っていない場合が多々見られる。任意の団体に対しては、行政からの財政面を含めた支援が困難な状況にある。