行政 : 自民党、雇用対策にNPO活用?
自民党の臨時経済再生・産業競争力検討チーム(座長・池田行彦政調会長)が雇用対策として、NPOの活用を打ち出している。
自民党が27日にまとめた「雇用対策について(素案)」は、
1. 新たな事業の創出と円滑な労働移動、迅速な再就職の推進
2. 国、地方公共団体による雇用、就業の場の創出
3. 人材資源の活性化
の3項目から構成され、その 2. においてNPOについて次のように言及している。
2. 国、地方公共団体による雇用、就業の場の創出
(1)国、地方公共団体による臨時応急の雇用、就業の場の創出のための事業の実施
(2)NPOの活用
(3)高齢者の就業支援のためのシルバー人材センターの活用』
この(2)であるが、新聞各紙の報道によると
「地方公共団体を通じてNPOなど奉仕活動に参加する失業者に生活費の一部を謝礼として給付する」(25日、日経新聞)
「(雇用対策にNPOを活用する案は、)自民党案の目玉だ。文化、福祉、環境などのボランティア団体は8万団体。寄付金の無税や国の補助をして、実費程度の報酬を支給する方法だ。米国では、雇用者の1割がNPOで働いているという。」(28日、毎日)
「自民党は、企業のリストラに伴う雇用対策として、老人介護などのボランティア活動に参加する失業者に、生活費を謝礼として支出する制度を創設する方向で検討に入る。」(5月12日、朝日)
「中高年の失業者を雇った企業に賃金の一部を助成するために今年1月設けられた緊急雇用創出特別基金の役割を広げ、年齢を制限せずに、老人介護や幼児保育などのボランティア団体にも助成できるようにする。補助金の配分は、ボランティア団体の連絡組織を作って調整するという。」(5月12日、朝日)
「NPOの活用では、現在はほとんど無報酬の老人介護や医療などの分野に従事する人を対象に国や自治体が資金を出し、雇用を増やす案が浮上している。」(5月14日、日経)という。
政府は、この自民党などの意見を受けて、6月11日までに雇用政策をまとめるとしており、NPOと雇用対策が、NPO政策の大きなテーマとして今後議論されることが予想される。