行政 : NPO法人の57%がNPO法に不満
シーズが行った、NPO法人の実態およびその事業の特徴に関する調査がまと
まった。
調査は、今年3月から4月にかけて実施され、昨年11月末までにNPO法人
になった1034法人に実施され、463法人の回答を得た。
調査結果の中で注目を集めるのは、全体の57%の法人が、NPO法に「不満」
「やや不満」と回答。さらに、「まあまあ満足」などの回答も含め、なんらか
の不満があると訴えた団体は、全体の86%にのぼる。
その原因としては、税制優遇措置がないことなどを8割以上があげている。
また、5割(49.9%)のNPO法人が「継続的に活動するための十分な収入
の見込みが立ちにくい」ことが、運営上で最も困難な点だと答えている。アン
ケート集計結果からは、零細な運営基盤でありながら、採算性を度外視し、で
きるだけ利用者のニーズに応えよう苦労しているNPOが見えてくる。
この度のアンケートでは、企業や行政との競合についてもいくつか質問した。
企業と競合する事業(活動)があると答えた団体、行政と競合するサービス
があると答えた団体が約5割あったが「企業の方が資本力があり、大量にサー
ビスを提供できる」、NPOは「営業力が弱く、企業の方に利用者をとられや
すい」と感じているNPOがかなりの数にのぼる。また、行政に比べてNPO
は「広報力や信用が弱く、行政のほうに活動の対象者をとられやすい」こと、
「行政のサービスの方が大量のサービスを提供できる」ので不利であると答え
ている。しかし、サービスの質においては企業や行政と比べて「利用者のニー
ズにより合ったサービスを提供できる」し、「利益を追求しないで」「市民参
加型のサービスを提供できる」と考えていることが分かった。
シーズでは、この調査を踏まえ、行政・企業と並ぶNPOという新しい分野
を、日本で根付かせていくために、NPOの事業実態を踏まえた税制優遇など
の支援措置を求めていく方針。
この調査の詳細は、明日の集会「NPO法人の現状と事業のあり方」で発表さ
れる。
「NPO法人の現状と事業のあり方」
日時:5月25日(木)19:00~21:00
場所:日本青年館 301号室
JR信濃駅より徒歩7分、JR千駄ヶ谷駅より徒歩7分、
地下鉄銀座線外苑前より徒歩5分(03-3401-0101)
参加費:会員1000円、一般1200円