行政 : NPO議員連盟第三回総会・報告
2000年8月8日(火)午後4時~5時、衆議院第二議員会館において、第3回目のNPO議員連盟総会が開かれた。なお、議員連盟の発足は昨年8月5日であり、この総会は一周年を記したものでもあった。約100名収容の会場はほぼ一杯となったが、このうち約2割はNPO関係者であった。
NPO議員連盟は自民、公明、民主、自由、社民、保守、無所属の会の238名*(8月8日現在)の議員で構成される超党派の会である。
(*議員連盟への参加議員の党別内訳は、自民党=112名、民主=65名、社民党=19名、公明党=18名、自由党=8名、保守党=5名、21世紀クラブ=1名、無所属の会=6名、無所属=4名)
冒頭、このNPO議員連盟の事務局長の熊代昭彦議員(自民)から、「今年は税制支援を含め、NPOの活動環境整備の年」であると開会の挨拶が述べられ、その後、会長の加藤紘一議員(自民)からは「11月末までに税制、その他を含めて見なおしを行い、NPOの土台作りをしたい」と抱負が述べられた。
その後、各党から代表挨拶があった。挨拶をした議員およびその骨子は次の通り。
民主党:鳩山由起夫議員、岡崎トミ子議員(民主党NPO委員会委員長)
民主党は税制について第二案まで作っているが、早く成案を作りたい。
公明党:上田 勇議員(NPO議員連盟事務局次長)
NPO法の制定から関わってきた。税制にも積極的に関わりたい。
自民党:山崎 拓議員(自民党NPO特別委員会顧問)
この議連の発足時からのメンバー。法律ができてからNPOが市民権を得た。
これからは税について力を合わせて行きたい。
自由党:中井 洽議員
党内のメンバーは入れ替わったが、新体制で党を挙げてがんばりたい。
社民党:辻元 清美議員(社民党NPO活動促進プロジェクトチーム座長)
NPOが起爆剤となって21世紀の日本の基礎作りができればと思う。これについては、ほかの党の方々といっしょにやっていきたい。
保守党:小池百合子議員
6月までは経済企画庁の政務次官として認証する側だった。税を含め、具体的な改正のための推進力となりたい。
無所属の会:堂本暁子議員
汗を流したNPO法が、現在使われているのは嬉しい。なお、税制については、「優遇」よりも「支援」という表現が適切だろう。
この後、参加議員とNPO関係者との間で自由に討議が行われた。
NPO側からは、「税制に関する連絡会もできており、国会議員の方々にはこの秋には各地で議論を盛り上げて下さるよう期待している」、「この支援税制についても、ぜひ議員立法で成立させて欲しい」、「支援税制適用NPO法人の認定については、NPOの評価システムと関わってくるが、これはNPOでも議論されているところである」などの意見があった。またNPOの「自立支援」や「優遇税制」という表現については、「NPOを支援する支援税制という表現が適切ではないか」という声があがった。
メンバー議員からは、「株で寄附があった場合、NPOがそれを売却すると寄附者に課税される。こうした点も検討すべき」、「焦点は誰が支援税制適用NPO法人を認定するかということ」、「第三者機関が認定するのでなければNPO法の趣旨に沿わない」、「第三者機関の認定が理想だが、明確な基準を定めれば既存の機関でも可能かもしれない」、「他の公益法人とのバランスも考慮すべき」、などの意見があった。
今後のスケジュールについて、12月開催の自民党・税制調査会で税制大綱ができるため、これに向けて活動することが確認された後、次の2点が満場の拍手をもって決議された。
- NPO法と同様、支援税制についても議員立法で進める。
- この秋、全国3ヶ所程度において、地域でNPOフォーラム(公聴会的なもの)を議員連盟で開催し、NPOの声を集約する。
なお、配布された資料は次の通り。
- 平成11年12月1日発表の「NPO支援税制に関する提言(第一次)」
- NPO法人制度の見なおしに関する論点整理(案)
- 平成11年12月1日発行「NPO議員連盟ニュースレター創刊号」
- NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会より、平成11年10月15日発表の「NPO/NGOの優遇税制に関する提案・要旨」
以上