行政 : 東京都の委員会「都とNPOとの協働指針」を提言
東京都の「東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会」(座長:寄本勝美早稲田大学副総長)は、10月4日、委員会の最終報告として、「協働の推進指針策定への提言」を都・生活文化局長へ提出した。
提言のポイントとしては、「協働の推進プラン」を作成し、今後、3~4年で、都とNPOとの協働事業を大幅に増やすとしていること、都の事業や補助金の制度を協働の視点から見直していくこととしたことなどがある。
都は、これを受けて、来年3月までに、都としての「協働の推進指針」を策定するとしている。
提言の全文は、都の以下のホームページで紹介されている。
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index4.htm
なお、都が4日発表したプレスリリースは以下の通りである。
平成12年10月4日
生活文化局
東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会報告
「協働の推進指針策定への提言」について
「東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会」から、本日生
活文化局長へ報告が提出されましたので、お知らせします。
〔委員会の構成〕
学識経験者、ボランティア・NPO関係者、行政職員の13名。
(座長:寄本勝美早稲田大学副総長)
〔提言の背景〕
平成10年12月に特定非営利活動促進法が施行され、NPO法人が具体的な活
動を始めた。一方、社会サービス提供の仕組みの再構築が進み、ボランティア・
NPOの役割が一層期待されている。これまで、行政の協働相手は、ボランティ
アやボランティア団体が中心であったが、今後、新たな事業体であるNPO法
人との多様な協働も求められている。
このような背景のもと、東京都がボランティアやNPOとの協働をさらに進
めるためには、「協働の推進指針」を策定する必要があるとされ、そのための
基本的な柱が提言された。
〔提言のポイント〕
1「協働の推進プラン」を策定して、概ね3ヵ年で着実に協働を実行すること
を求める。2段階の「協働の推進プラン」を策定し、庁内で協働を着実に実
行する。
【ステップ1】
協働の推進に向けた市民活動団体基礎調査や協働マニュアルの作成などの基
礎的事業を実施するとともに、市民活動に関する総合窓口を設け、協働のため
の全庁的な環境づくりをする。
【ステップ2】
既存事業の見直し等により協働事業を進めるとともに、NPO等との情報交
換や協働事業の評価制度を導入するなど、全庁的に協働事業を拡大する。
<期間と目標>
2001年度から3~4年で、現在約100の協働事業を大幅に拡大する。
2「協働による都民の新たなニーズへの対応」や「事業の見直しによる協働の
拡充」など6つの協働指針を提言する。
☆指針の主な内容☆
○協働による都民の新たなニーズへの対応
新たな都民ニーズをNPOの活動内容からも把握し、協働を推進していく必
要がある。また、東京の特徴を生かしたNPOとの協働を推進するとともに、
企業とNPOとの協働についても、意見交換の場を設けて支援し、NPO活動
を促進するため「都民が支える市民活動支援基金(仮称)」を検討する。
○事業の見直しによる協働の拡充
ボランティアやNPOが持つ先駆性や専門性などの特性を生かした活動との
協働を進めるために、福祉や環境、教育などの分野別に都で取り組んでいる事
業を協働の視点で見直す。
○総合的な情報収集・提供システムの確立
市民活動総合窓口を設置し、各部局の窓口と協力して、市民活動に関する情
報収集・提供するとともに、庁内の関係施策の総合調整を行う。
3 市民活動を促進する環境づくりを提案する。
「都民が支える市民活動支援基金(仮称)」やNPO評価システムの検討が
必要であるとともに、公共の活動支援施設の横断的利用の促進を求める。
〔今後のスケジュール〕
東京都としての「協働の推進指針」は、この委員会の提言を基に、平成13年
1月を目途に骨子を作成・発表し、都にふさわしい効果的な「指針」とするた
め、広く都民のご意見・ご提案をいただいた上で、平成13年3月中に策定する。
(問い合わせ先)
生活文化局 コミュニテイ文化部 振興計画課
久米・田 村
(03)5388-3148 内線29-250