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2000年10月31日 10:00

行政 : 社民党のNPO支援税制案

 

 

 社会民主党の市民活動促進プロジェクトチーム(座長:辻元清美衆議院議員)は、10月25日の仙台市で行われた「NPO議員連盟・地方フォーラムin宮城」に、『NPO活動の発展のために~非営利市民活動への支援施策について(第2次案)』として、社会民主党のNPO税制の提案骨子を発表した。

 プロジェクトチームが発表した税制案は以下の通り。


            NPO活動の発展のために
       非営利市民活動への支援施策について(第2次案)

                        2000年10月19日
               社会民主党市民活動促進プロジェクトチーム

はじめに

 社会民主党は、様々なボランティア活動に主体的に参加し、積極的に社会貢
献を行なう自発的な市民層の拡大こそが、私たちの社会を豊かに、そして魅力
的なものにすると確信しています。新しい21世紀の日本社会を展望する際に、
生き生きと自立的に活動する市民団体の取り組みがその中心あるべきだと考え
るものです。
 98年12月1日にNPO法(特定非営利活動促進法)が施行されて、約2
年を迎えます。この間、同法は順調に運用されて、すでに2500(2000
年10月現在)を超えるNPO法人が誕生しました。こうした流れをさらに強
め、ようやく緒についたNPO法の内実を高め、市民活動を活発化していくた
めに、さらに一歩も二歩も踏み出したNPO支援施策を実現することが求めら
れています。
 NPO法の附則及び付帯決議では、2000年11月までに税制を含めた見
直しを行ない、2001年11月までに必要な措置を講ずることとしています。
社会民主党はNPO支援のための措置について以下のような案を示し、市民と
議員の共同作業として立案作業を進めてゆきたいと考えています。
 積極的なご提案やご意見を是非ともお寄せいただけますようお願いいたしま
す。

1、基本的な考え方―求められる新しい社会の設計図

 21世紀に向けて私たちの社会を豊かな活力あるものとしていくためには、
自主性や創意工夫を生み出す市民活動のさらなる充実が求められています。税
の控除などによって、これら市民活動を支援し活発化をはかることは、それ自
身に大きな意義があるだけではなく、大きな視野で見ればより大きな公益が実
現できることもなるのです。社民党は、より大きな資源をNPOなど自由な市
民の活動に委ねた方が全体として大きな公益をもたらすと確信しています。活
発な市民活動が支える新しい未来社会の設計図を描きながら、意識的に市民活
動を支援する施策をとる必要があります。

2、NPO支援税制の確立

 NPO法人の活動を促進するために、その性格や社会的役割に応じて、税制
面からの支援制度を確立する必要があります。現行税制との整合性をはかりつ
つ、NPO法人の性格やその社会的役割に相応しい税制として整備します。民
間の多様な社会的ニーズに応え自助的な活動を育成するという視点からは従来
の公益性に必ずしもとらわれない別の基準や簡便な手続き、税制優遇の範囲な
どを設定します。

(1) 認定NPO法人(仮称/以下同様)への寄付金に係る控除制度の創設

・個人の寄付金に係る所得控除
 一定の実績を認められる認定NPO法人に対して、個人が一定額(1万円)
以上の寄付した場合は、一定の限度額(100万円もしくは所得の20%以下)
内の所得控除、または寄付金額の20%相当額の税額控除を認める。

・法人の寄付金に係る損金算入
 認定NPO法人に対して法人が寄付した場合、一定の限度額(500万円も
しくは法人所得の2.5%以下)内で損金算入を認める。一般の損金算入限度額
とは別枠で、その2分の1を上限とする。

(2) 認定NPO法人にみなし寄付を認める
 認定NPO法人の法人税上の収益事業に関して、その所得を非収益事業に支
出した場合は、所得の50%までの支出額をみなし寄付金として収益事業の損
金算入を認める。

(3) 不動産の譲渡課税の免除
 個人が不動産を特定非営利活動法人の活動に係る事業に寄付した場合は、個
別の審査を経て、みなし譲渡課税を適用しない。

(4) 地方税負担の軽減
 地方税についてもこれらの税の減免措置が適用されるよう、基準を設ける。

(5) 法人化を阻害する税制上の障壁をなくす措置
 任意団体から特定非営利活動法人化する場合は、税務署長の認定もとで資産
の移転がスムーズに出来るよう贈与税等の免税措置を定める。

(6) 控除手続き上の便宜
 一定額以下の寄付金については、源泉徴収した所得税に対して年末調整によ
り控除できるものとする。

(7) 認定機関の設置
 認定NPO法人の認定は明確な認定基準を設け、行政から独立した第三者機
関を設置して行なう。

【認定】
・認定の課程を公開し、申請者に対して説明責任を課す。
・不服の場合の再審査手続きを保障する。
・3年ごとに認定を見直す。
・税務当局からの意見を聴取する。
【基準】
・特定非営利活動法人格を取得しておおむね1年を経過し、適切な公益活動が
 営まれているもの。
・特定非営利活動に対する支出が、支出全体の75%以上であること。
・法人がその役員等(社員、親族を含む)との間で私的取引を行なっていない
 こと。
・資金源、事業内容、有料サービスの場合の料金体系、受益者が会員に限られ
 る場合、入会用件等が不当なものではなく、不特定多数に開かれていること。
・所定の情報公開を行なっていること。

 ※既存の特定公益法人制度の特定公益増進法人よりも相当に緩やかな基準を
  採用する。

(8) 認定基準の明確化と情報の公開
・上記の認定の基準をあいまいなものとしないため、法令で明確に定め、かつ
 情報の公開方法を充実する。
・不認定の場合その理由を文書で交付することとするなど、不服申立てその他
 の手続きを取りやすい環境を整備する。

3、特定公益増進法人制度等の改革など

 特定公益増進法人等既存のNPO法人(財団法人、社団法人等)に適用され
る税制の改革、認定NPO法人に適用される税制と既存のNPO法人に適用さ
れる税制との相互の関係については整合性を失わないよう検討し改革を行なう。

4、その他のNPO活動支援措置

 ・NPOが利用しやすい郵便割引制度の創設、・法人の立ち上げ資金の融資、
  など税制以外でも可能な支援策について検討する。

おわりに

 NPO法人の成長は、私たちの社会を元気づけ豊かにすることでしょう。新
しい21世紀の日本社会を展望する際に、生き生きと自立的に活動する市民団
体の活力は欠かせません。これをサポートするための施策は、ゆっくりと効き
目がでてくる漢方薬のような施策であり、是非とも早急に実現しなくてはなら
ないものであると確信しています。
      
                                 以上

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