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2000年12月14日 10:00

行政 : 与党三党の税制改正大綱発表される

 

 

 12月13日、自民党税制調査会は、「平成13年度税制改正大綱」を決定し発表した。さらに、この税制改正大綱は、14日の与党3党の税制協議会で調整され、一部変更が加えられて、同日、与党3党の税制大綱として発表された。

 この税制大綱では、NPO税制は、来年10月1日からスタートするとしている。

 平成13年度税制大綱のNPO関連の部分は以下のとおり。

 なお、認定NPO法人に関するみなし寄附金制度の導入に関しては、検討事項となった。

 認定NPO法人となる要件については、【付記】で詳細に規定されている。


         平成13年度税制改正大綱

                       平成12年12月14日

                              自由民主党
                                公明党
                                保守党

第一 基本的な考え方

(略)

第二 平成13年度税制改正の具体的内容

(略)

七 NPO税制

 特定非営利活動促進法(NPO法)の特定非営利活動法人(NPO法人)のう
ち、非営利・公益性の視点からの一定の要件・基準を満たすものとして国税庁長
官の認定を受けたもの(認定NPO法人)の活動を政策的に支援する観点から、
次の特例措置を講ずる。(付記二参照)

(1) 個人が、認定NPO法人に対して寄附(その寄附をした者に特別の利益が及
 ぶと認められるものを除く。)をした場合には、当該寄附に係る支出金は、所得
 税法の特定寄附金とみなして寄附金控除の適用を認める。

(2) 法人が支出した認定NPO法人に対する寄附金について、一般の寄附金の損
 金算入限度額とは別に、当該損金算入限度額の範囲内で損金算入を認める。た
 だし、限度額の計算は、特定公益増進法人に対する寄附金と合わせて行うもの
 とする。

(3) 相続又は遺贈により財産を取得した者が認定NPO法人に対して相続財産等
 の寄附をした場合には、その者又はその者の親族等の相続税等が不当に減少す
 る場合を除き、当該寄附に係る財産の価額をその者の相続税の課税価格の計算
 の基礎に算入しない。ただし、当該寄附を受けた認定NPO法人が、一定期間
 内に認定NPO法人に該当しないこととなった場合等には、上記の規定は適用
 しない。

(注)上記の改正は、平成13年10月1日から施行する。

(略)

第三 検討事項

(略)

5  認定NPO法人に係るみなし寄附金制度の導入については、今後、認定NPO
  法人の実態等を見極めた上で早期に検討する。

(略)

【付記一】会社分割・合併等

(略)

【付記二】認定NPO法人制度

1 税制上の措置

 (1) 個人が、認定NPO法人に対して寄附(その寄附をした者に特別の利益が及
  ぶと認められるものを除く。)をした場合には、当該寄附に係る支出金は、特定
  寄附金とみなして寄附金控除の適用を認める。

 (2) 法人が支出した認定NPO法人に対する寄附金について、一般の寄附金の損
  金算入限度額とは別に、当該損金算入限度額の範囲内で損金算入を認める。た
  だし、限度額の計算は、特定公益増進法人に対する寄附金と合わせて行うもの
  とする。

 (3) 相続又は遺贈により財産を取得した者が認定NPO法人に対して相続財産等
  の寄附をした場合には、その者又はその者の親族等の相続税等が不当に減少す
  る場合を除き、当該寄附に係る財産の価額をその者の相続税の課税価格の計算
  の基礎に算入しない。ただし、当該寄附を受けた認定NPO法人が、一定期間
  内に認定NPO法人に該当しないこととなった場合等には、上記の規定は適用
  しない。

2 要件

 (1) 基本的事項

  1) 情報公開
    認定NPO法人は、毎事業年度終了後3月以内に、次に掲げる書類を国税
   庁に提出することとし、国税庁は、過去3年分を一般に閲覧させることとす
   る。法人は求めに応じ、開示しなければならないこととする。また、国税庁
   は、法人が認定申請の際に提出した申請書類を一般に閲覧させ、法人は求め
   に応じ、開示しなければならないこととする。

   イ 資金に関する事項を記載した書類(収入源泉別の収入額の明細、借入金
    の明細等)
   ロ 財・サービスの提供に関する事項を記載した書類(内容、料金、提供先
    の条件等)
   ハ 取引に関する事項を記載した書類(一定の取引のある取引先とその金額
    等)
   ニ 会員に関する事項を記載した書類(要件、会費、募集要綱、居住行政区
    域別の人数等)
   ホ 寄附金の募集及び使途に関する事項を記載した書類(寄附金を充当する
    こととなる具体的事業内容(予定)、募集の手段、募集の範囲、寄附金の使
    途の実績等)
   へ 寄附者に関する事項を記載した書類(寄附者の住所・氏名又は名称とそ
    の金額等(閲覧させるものにあっては、一定金額以上のもの))
   ト 報酬・給与に関する事項を記載した書類(役員のうち報酬を得ている者
    の氏名とその金額、従業員の氏名とその金額、給与規程等)
   チ 事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算書、役員名簿、報酬を受
    けた役員の氏名等

  2) 事業内容の適正性
   イ 宗教活動、政治活動を行わないこと。
   ロ 特定の者と過度の関係がないこと。
   (イ)営利法人、政治団体、宗教団体に対する寄附や助成を行わないこと。
   (ロ)法人の役員、社員、従業員、寄附者又はこれらの者の親族等その他特
     別の関係のある者に対し、特別の利益を与えないこと。
   ハ 特定非営利活動に係る事業費の総事業費のうちに占める割合が80%以
    上であること。
   ニ 寄附金の70%以上を特定非営利活動に係る事業費に充当すること。
   ホ 助成金の支給を行う法人にあっては、助成先の募集・選定の仕組み、選
    定基準、選定者、助成内容をあらかじめ国税庁に提出するとともに、自ら
    開示すること。助成実績についても同様とすること。
   へ 海外への送金又は金銭の持出しを行う場合は、その金額・使途及び実施
    予定日をあらかじめ国税庁に届け出た上で、自ら開示すること。ただし、
    災害等の緊急を要する場合で事前の届出等が困難なときは、遅滞なく届出
    等を行うこと。

  3) 運営組織の適正性
   イ 役員若しくは社員又はその親族等の特殊関係者の数が役員又は社員の数
    のうちに占める割合が1/3以下であること。
   ロ 特定の法人・団体の役員若しくは使用人又はその親族等の特殊関係者の
    数が役員、又は社員の数のうちに占める割合が1/3以下であること。

  4) 経理の適正性
   イ 外部監査を受けていること、又は青色申告法人と同等の記帳及び帳簿書
    類の保存が行われていること。
   ロ 使途秘匿金等不適切な経理がないこと。

  5) 相当な業績の持続可能性
    全ての要件(初回申請時のみ一定のものを除く。)を過去2年間、満たして
   いること。

  6) 申請時に、認証した所轄庁の「法令、法令に基づく行政庁の処分又は定款
   に違反する疑いがあると認められる相当な理由がない」旨の証明書を添付す
   ること。

  7) 法令に違反する事実、偽りその他不正の行為により何らかの利益を得若し
   くは得ようとし、又は他の者に得させた事実その他公益に反する事実がない
   こと。

 (2) 活動実態に着目した要件

  1) 総収入金額のうちに占める寄附金及び助成金の額(寄附金総額)の割合が
   1/3以上であること。
   (注)「総収入金額」及び「寄附金総額」の算定に当たっては、次のとおりと
    する。
    1.総収入金額には、臨時的な収入、借入金収入、前期繰越利益等を含ま
     ない。
    2.一者からの寄附金及び助成金は、寄附金総額の2%を超えて寄附金の
     額に算入できない。
    3.役員若しくは社員又はこれらの親族等の特殊関係者(役員等)からの
     寄附金は、寄附金総額に算入できない。ただし、寄附金総額に占める役員
     等からの寄附金の割合及び寄附者総数に占める寄附をした役員等の数の
     割合がいずれも1/2を超えない場合の社員の寄附金については、この限
     りでない。
    4.総収入金額及び寄附金総額には、次のものを含まない。
     (1) 国・地方公共団体からの補助金
     (2) 法律又は政令に基づき、国・地方公共団体の支出を得て行われる事業
      を行う場合の当該国・地方公共団体の支出額
    5.一者につき3,000円以上の寄附金に限る。
    6.寄附者の親族等の特殊関係者は、当該寄附者とみなす。

  2) 次のいずれかに該当するものであること。
   イ 複数の市区町村(指定都市の区を含む。)の者から寄附金を受け入れてい
    ること。
   ロ 特定非営利活動が複数の市区町村で行われていること。
   ハ 特定非営利活動により直接、財・サービスの提供を受ける者が複数の市
    区町村にわたること。
  (注)1.同一市区町村の者からの寄附金、同一市区町村内の活動及び受益
      者については、いずれも80%以下であること。
     2.隣接する市区町村がない場合は、この限りでない。

  3) 事業活動の相当部分(50%以上)が次のような活動でないこと。
   イ 会員等に対する財・サービスの提供活動。ただし、対価を得ないで行わ
    れる会員等に対する財・サービスの提供活動を除く。
    (注)1.この場合の会員等には、社員や会員であるのと同様に財・サービ
        スの提供を受ける者を含む。
       2.法人に対する会員等の対価の支払で、少額の負担分や交通費等
        程度の実費負担分は、対価に含まない。
   ロ 会員相互の交流、連絡、意見交換等その対象が会員等である活動
   (注)この場合の会員等には、社員や会員であるのと同様に当該交流、連絡、
     意見交換等に参加する者を含む。
   ハ 会員、特定の団体の構成員、特定の職域の者、特定の区域の者等その便
    益の及ぶ者の範囲が特定の範囲である活動
   ニ 意匠、商標等の特定の物や特定の者に着目した事業を行う活動
   ホ 特定の者に対し、その者の意に反した作為又は不作為を求める活動

3 仕組み

 (1) 認定機関等
  1) 認定機関は、国税庁長官とする。
  2) 国税庁長官は、認定(その取消しを含む。)に関する事務の実施について必
   要な調査ができることとする。

 (2) 有効期間
   認定の有効期間は、認定を受けた日から2年間とする。

 (3) 取消し
  1) 国税庁長官は、以下の場合に認定を取り消すものとする。
   イ 一定の要件を満たさないことが判明した場合
   ロ 認定時に要件を満たしていなかったことが認定後において判明した場合
   ハ 申請書又は開示した書類に虚偽の記載があった場合
  2) 認定の取消しを受けた法人は、その後2年間は再申請が行えないものとす
   る。

 (4) その他
  1) 国税庁長官は、認定をしたとき若しくは当該認定をしないことを決定した
   とき又は当該認定を取り消したときは、その旨を当該認定の申請をした法人
   に通知することとする。認定をしないことを決定したとき又は認定を取り消
   したときは、その理由を合わせて通知することとする。
  2) 国税庁長官は、認定をしたときは法人の名称及び所在地を公示するものと
   する。公示した事項に変更があったとき又は認定を取り消したときも、同様
   とする。
  3) 認定を受けようとする法人は、所定の事項を記載した申請書類を納税地又
   は主たる事務所の所在地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出しな
   けれぱならない。

4 平成13年10月1日から施行する。

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