行政 : NPO税制、参議院財政金融委員会で可決
27日、参議院財政金融委員会において、NPO支援税制を含む「租税特別措置法改正案」が可決された。
「租税特別措置法改正案」は、明日、参議院本会議にかけられ、成立する見込み。
これにより、次の焦点は、認定要件の詳細を定める「政省令」の内容がどう定められるかになる。
27日、参議院財政金融委員会では、まず、政府が提案した「租税特別措置法改正案」と野党4党(民主党、自由党、共産党、社民党)が共同提案した「特定非営利活動の促進のための法人税法等の一部を改正する法律案」の審議を行った。
櫻井充議員(民主党)、池田幹幸議員(共産党)、大淵絹子議員(社民党)がそれぞれ質問を行った。
質問の要旨は以下の通り。
桜井議員が「パブリックサポートテストは制限が厳しい。政治活動を一切認めていないが、政策提言活動は良いのか」と聞いたのに対し、尾原主税局長は「政策提言活動を制限するものではない」とした。
桜井議員がこのパブリックサポートテストで、政府提案の法律では分母から本来事業収入を引いていることに関して、野党4党案の提案者である江田五月参議院議員(民主党)は、「野党案では、これからはNPOの時代だという立場に立っている。公益性の判断は、社会に支えられていることでみている」と答えた。
認定要件が厳しいことに関して、桜井議員は「外部資金を入れられる仕組みになっていない。これは政策であるから、支援する政策にしないと」としたが、尾原主税局長は「実態をみて作った。積極的に利用して欲しい」と答えた。
最後に桜井議員は「施行されてほんの数パーセントしか認められないことであれば、積極的に見直しをして欲しい」としたのに対して、宮澤財務大臣は「4党提案も参考とさせて頂いて、改良の余地もある。」という趣旨の答弁を行った。
池田議員は、「あまりにも認定要件が厳しくて、今度の政府提案ではダメだと、NPOからファックスがどんどんきている。我々はこれでは認定されないと。これについてどう思うか」と質問したのに対して、宮澤財務大臣は、「NPOというのはもっともっと活躍するであろうということで、長年の問題であった寄付金の問題を法制化するということで案を審議してもらっている。もっと緩い基準で寄付金の免税を認めるべきであるということだが、税金の犠牲で支援をするということで国としては一定の基準で判断せざるを得ない」と答えた。
大淵議員は、「どれだけのNPOが基準を満たすのかという調査はしたのか」と質問したのに対して、尾原主税局長は「どの程度とはいえないが、積極的に活用していただきたい」と答えた。
審議は一日で終了し、5時すぎに採決が行われた。
結果、賛成多数で、政府案が可決された。
野党案の採決は行われなかった。
なお、「特定非営利活動を支援する税制については、非営利活動を促進するという趣旨にしたがって認定基準を定めるとともに、その実態等に鑑み、引き続き検討すること。」という趣旨の附帯決議がつけられた。