行政 : 宮沢財務大臣「極端に厳しい場合はNPO税制の認定要件緩和も」
3月8日、参議院予算委員会で、江田五月議員(民主党)が、NPO支援税制に関する質問を行った。
この中で、認定NPO法人の認定要件に関して、麻生経済財政政策担当大臣は「パブリックサポートテストは半分くらいの団体がクリアできるのではないか」という見通しを示した。
また、宮沢財務大臣は、「できあがってみたら極端に厳しいものさしを当ててるんじゃないかな、という気がしたら、それは直させるし、なるべくそうでないような行政をしてみてもらうつもりで、それは言っておきます」と見直しの可能性に言及した。
質疑答弁のポイント(要約)を掲載する。
江田議員
「NPO税制の基本的な構えとして、NPO活動を促進する、あるいは支援する税制
だと考えているか」
麻生経済財政政策担当大臣
「基本的にはそのとおり」
江田議員
「いま3500ほどの認証団体があるが、このうちのどの程度が税制優遇措置を受
けられると見込んでいるか。衆議院で5割くらいはクリアできると言われていた
ようだが、一方では、いろいろな要件が厳しくて、いま政府が考えている要件
をクリアできるのは1%くらいじゃないかという意見もある。40%とか50%に
ならなかったら、やはり制度設計が間違っていた、ということになるのではな
いか。いま3500ほどの認証団体があるが、このうちのどの程度が税制優遇措置
を受けられると見込んでいるか。」
麻生大臣
「今日日本で申請されたものが3853、認証されているのが約3500あると思いま
すが、このうち何団体が対象になるかというのはちょっとまだ申請をいただい
ていませんので、どれぐらいの団体が申請をされるか、ちょっと分かりません
ので、ちょっと申し上げにくい所です。」
江田議員
「どのぐらいと見込み、大臣の願い、目標。認定要件について厳しいという意見
もあるが、一方そうでもないという考え方もあるようだが、それについては?」
麻生大臣
「私どもとしては基本的に認可をした以上は認可された団体が積極的な活動を
していただいているというのが望ましいのであって、よほど隠れて何かしてい
るというのでない限りは、できるだけ多くの法人が積極的にこの制度を活用し
ていただくのを期待しておるというのが私どもの立場です。」
江田議員
「パブリックサポートテストというのがありますが、これはどのぐらいの法人
がクリアすると見込まれていますか?」
麻生大臣
「半分ぐらいかなと言われております。」
江田議員
「衆議院で5割くらいはクリアできると言われていたようだが、一方では、いろ
いろな要件が厳しくて、いま政府が考えている要件をクリアできるのは1%く
らいじゃないかという意見もある。」
麻生大臣
「1%ということはないと思いますが。今、半分、50%とお答えしましたが。
やってみないと分かりませんが、1%というほどひどくはないと思いますが。」
江田議員
「そうしますと50%と1%とこんなに離れているわけですよ。やはり制度設
計が間違っていた、ということになるのではないか」
麻生大臣
「何度もお答えするようですけれども、やってみないと本当に分からないので、
いくつか知ってるのがないわけではありませんけれども、1つは間違えなく、
ああというのがありまして、もう1つはどうかなというのがありますので、私
が知っているのはたった2つなんですけれども、答えは5割ぐらいかなと。実
体験に基づいて申し上げているにすぎないので、かなりいい加減なところがあ
りますが私の感覚で申し上げているところもありますので。ご容赦願います。」
江田議員
「衆議院のときに、思ったように使われなかったら柔軟に考えなければ、と
『柔軟に』という言葉を使っているが、これは事態の推移を見ながらちゃんと
見直しをしていく、という考えを表明されたと考えていいか」
宮沢財務大臣
「できあがってみたら極端に厳しいものさしを当ててるんじゃないかな、とい
う気がしたら、それは直させるし、なるべくそうでないような行政をしてみて
もらうつもりで、それは言っておきます」