行政 : 衆議院財務金融委員会での審議続く
3月1日午後、衆議院・財務金融委員会で、植田至紀議員(社民党)が、政府のNPO支援税制案に関して質疑を行った。
植田議員は、新しくNPO支援税制が創設されることは評価するとしたが、いくつか問題があるとして質問した。
まず、認定NPO法人の認定権者について、行政から独立した第三者機関を認定権者としたほうが良いのではないかという質問したのに対し、財務省主税局長は「現在の支援措置の対象となっている寄附金・相続税はいずれも国税であること、全国一律の基準でやれるということ、税務署が各地にあり手続き上も利便性が高いこと、などから国税庁を認定権者とすることが適切と思われる。諸外国の例も調べたが国税庁が認定権者である例が多いようだ」と答弁した。
また、認定NPO法人の認定の基準については、規定の濫用がされることのないよう「政令・省令、場合によっては通達できっちり基準を定めたい」と回答。
さらに認定要件の「事業活動の相当部分(100分の50)」という基準については、情報公開で国税庁に提出されることになる会計書類の支出・収入が基本的な判断材料となると考えて良い、という回答があった。
海外協力活動をしているNPOの海外への資金持ち出しについて、「一定の金額以上を送金する場合とするか、年間一定金額以上を送金した場合に限り、事後届出とするか、現実的な対応の検討を」と要望したが、この件については、「限度額を設けることは考えていない」との回答だった。
みなし寄附金について、「今回税制支援措置から見送られたが、今後引き続き、毎年でも検討していただきたい」と要望したのに対し、、主税局長は、「内閣府の調査でほとんどのNPOが税金を払っていないということがわかって、寄付金税制と相続税にしぼったもの。今後、公益法人とも併せ検討していきたい」との趣旨の回答した。
一方、1日、衆議院・総務委員会では、金田誠一議員(民主党)が、民主党、共産党、社民党の3党共同提案による「特定非営利活動の促進のための地方税の一部を改正する法律案」の趣旨説明を行った。
これは、認定NPO法人に対して、個人が寄附をした場合、地方自治体が条例で、その寄付金を地方住民税の課税所得の控除対象とできるようにするというものである。
金田議員は、「政府のNPO支援税制案は、国税のみが対象であり、地方税について何らの措置が講じられておらず、誠に不十分であります。」と提案理由を説明した。
また、金田議員は、「政府案における認定基準は、いわゆるパブリック・サポート・テストが厳しすぎるうえ、一市区町村を超える広がりを必要としており、全国3300以上のNPO法人のうち、ほとんどのNPO法人がその要件を満たすことができず、支援税制の恩恵を受けることができません。」と政府案の認定基準を批判した。
NPO支援税制は、明日、国税部分は財務金融委員会で、政府案が可決された後、本会議で可決され、参議院に送られる予定。
また、地方税部分は、政府案が出ていないため、今回は審議されないままになるとみられている。