行政 : 八日市市の新補助金チェックシステム、第一期終了
滋賀県八日市市では、新システムによる補助金調査の第一回目の結果報告を、この3月、市長に対して行った。
これは、平成11年度に市が支出した全補助金を、市が導入した新チェックシステムで実態調査したもの。
その報告によると、補助金はほぼ適正に使われていたが、なかには指導に該当するものもあったという。それについては提出された報告書をもとに実地調査をしたところ、補助金を打ち切る迄には至らなかったとされた。
市は、この結果報告の内容を、さらに市の行政評価システムに照らして再検証していくとしている。
また、平成12年度の補助金に関しては、これからチェックしていきたいとしている。
滋賀県八日市市(人口42千人)では、平成12年7月に「八日市市補助金の適正な執行を促進するための調査実施要綱」を策定し、補助金に関するチェックシステムを導入している。
この導入の目的は、市として従来より補助金交付規則により補助金支出については、適正な執行に努めてきたが、今回、さらに公共性・公平性・経済性および市民とのパ-トナ-シップの視点で、全庁で統一した補助金のチェック体制を整備するというもの。
システムの概要は、(1)市が交付する全ての補助金を対象にリストアップする、(2)団体運営や調査研究などのチェック機能を持っていないものは実地調査対象補助金、もっているものは実地調査対象外補助金として区分する、(3) 実地調査対象補助金については、会計諸帳簿の整備や公益上の観点からの事業妥当性・効率性、目的外使用など適正な補助金の執行と活用をチェックするなど、区分に応じて実地調査等を行う、(4)市長へ実地調査の結果を報告することになっている。
市としてこのシステムの導入による効果としては、(1)全庁にわたる統一的な補助金のチェック体制が確立される、(2)実態把握により、さらなる効果的・効率的な補助金の活用が図られる、(3)指導助言により団体の円滑な運営が促進される、(4)補助団体(市民)と市とのパ-トナ-シップが推進され、市政への参加意識の醸成を図ることができる、(5)補助金の財源が市民の貴重な税金等であることの意識の高揚が図られるとされている。
第一回目のチェックシステムによる調査の実施は、平成11年度に交付した172項目、7億1933万円の事業を対象としておこなった。
調査は、平成12年10月に終わり、平成13年3月に市長に報告されたものである。
なお、補助金の制度を全面的に見直した自治体としては、千葉県我孫子市が有名だが、それ以外にも、補助金について具体的に検討を始めた自治体としては、(1)東京都豊島区:補助制度の第三者機関による見直し、(2)世田谷区、(3)千葉県柏市:一部公募制度の導入、(4)茨城県つくば市:補助制度の第三者機関(懇話会)による見直し、(5)新潟県燕市:市長から検討を指示されている、(6)愛知県日進市等があり、補助金制度の見直しをする自治体は増加傾向にある。