行政 : 民主党がNP0法改正に向けヒアリング
民主党NPO委員会は、4月27日、第二議員会館会議室で「NPO法人制度の見直しに向けたヒアリング」を開催した。
会議は、今まで制度作りの運動に関わってきたNPO支援団体等から20人弱と、民主党の国会議員10名弱が出席した。
会議では、まず、NPO委員会委員長の江田五月議員から、「法施行後3年というNPO法の見直しの期限が迫ってきており、税制の問題もあるが、法律の方も検討したいので、各団体から意見を聴きたい」という趣旨の説明があった。
その後、出席者から、NPO法改正に対する意見、NPO法以外の制度に関する要望などがヒアリングされた。
出席者から出されたNPO法改正に関する意見には以下のようなものがあった。
- 法人認証申請の際に、事前審査が盛んに行われていて問題が多い。準則主義(届出)で、法人設立ができるよう検討してほしい。
- 認証期間を短縮してほしい。たとえば、現行4ヶ月を2ヶ月へ。
- 認証審査期間中の補正の手続きを定めてほしい。
- 所轄庁の認証団体の情報をIT化してほしい。
- 閲覧文書が誰でもコピーできるように定めてほしい。
- 所轄庁の情報公開だが、内閣府では、一件一件法人名を言って開示請求をしなければならず、手間がかかりすぎる。もっと簡易に情報が取れるようにしてほしい。
- NPO法の第46条の第一項2行以降の規定を削除して、税法上は「公益法人等」としてほしい。
- NPO法上の「収益事業」と税法上の「収益事業」の意味が違うので、現場で混乱している。用語を変えるなどして、きちんと理解しやすくしてほしい。
- 法律で予算主義を規定する必要はない。予算主義の条文を削除してほしい。
- 特定非営利活動の分野を拡大してほしい。
- 「特定非営利活動法人」という名称は、長くてわかりづらい。名称を変えてほしい。
- 認証申請時にいらない書類が多すぎる。役員の宣誓書、確認書、設立趣旨書、設立者名簿、設立総会の議事録の謄本、設立当初の財産目録、事業年度を記載した書面、事業計画書、収支予算書は無駄である。
法律の運用に関して、以下のような意見があった。
- 法人申請時の相談が重箱をつつくような指導がある。また、無意味な指導も多い。所轄庁の対応をチェックしてほしい。
- 事前相談は、必須ではないのに、事前相談をほぼ義務づけているところがある。問題が多いので、NPO法の精神を踏まえた運用ができるようしてほしい。
- ある県では、福祉分野のNPO法人になろうとして相談に行くと、社会福祉法人になることを勧められる。NPO法人になりたくても、指導されてしまう。所轄庁の認識をなんとかしてほしい。
- 内閣府は、会計は、公益法人会計でも企業会計でもどちらでもいいといいながら、公益法人会計を強いている。このような指導はやめてほしい。
- 会計制度全般を見直してほしい。
NPO支援税制に関しては、以下のような意見があった。
- 現在の政府の支援税制では、地域の福祉団体はどうしようもない。民主党の案を推進してほしい。
- NPO法人の情報公開は賛成だが、寄付者名簿の公開は、寄付者が名簿業者のターゲットとなってしまい困る。寄付者名簿の公開はやめてほしい。
- 認定要件をNPO法人の実態に合ったものにしてほしい。
NPO制度と他の制度との整合性については、以下のような意見があった。
- 同じ事業をしている社会福祉法人は補助金など優遇されているが、NPO法人にはそのような制度的支援はほとんどない。公正な競争ができるようにしてほしい。
- NPO法人の理事をしていると、失業した場合、失業保険の給付を受けられない。無報酬の理事だったが、理事をやめざるをえなくなった人がいる。なんとかしてほしい。
- NPO法人の理事長をしていると、経営者ということになって、ホームヘルパーの試験を受けられない。企業と違う状況であることを理解してほしい。