行政 : 会計士協会近畿会が事業報告書を調査
この4月、日本公認会計士協会近畿会非営利会計委員会では、NPO法人の事業報告書に係わる計算書類の実態調査を行いその結果を発表した。
対象としたのは、平成12年12月までに大阪府に提出されたNPO法人98団体の会計報告書。
調査によると、NPO法人の会計報告書には、多数の問題が見つかったとしている。
例えば、以下のような問題点があるとしている。(問題点が多数報告されているので、ほんの一部だけを紹介)
- 財産目録関係では、財産目録が明細となっていない。財産目録が明細となっていないが、貸借対照表には各科目の明細がある。
- 貸借対照表関係では、収支計算書から高額な固定資産を購入しているが貸借対照表に計上されていない。減価償却を実施している法人が少ない。
- 収支計算書関係では、収支計算書の次期繰越収支差額と貸借対照表の資金残額が一致していない。収支計算書の注記における資金の定義が誤っているか又は収支計算書への記載が誤まっていると考えられる。
ただ、NPO側の会計に関する認識不足も大きいが、非営利会計委員会のチェックする視点にも、予算対比で決算書類を作成することを推奨したり、公益法人会計にならった経済企画庁などの計算書類のモデルを基本にしているなど、NPOのあり方をよく理解していないという問題もあるようだ。
詳細は、日本公認会計士協会近畿会非営利会計委員会(電話06-6313-2684)まで。報告書(一部400円)が出ている。