行政 : 文部科学省が「科学技術とNPOの関係調査」公表
文部科学省科学技術政策研究所は、この3月に「科学技術とNPOの関係についての調査」(A4判263ページ)と題するレポートをまとめ、公表した。
このレポートでは、「NPO法の特定非営利活動に科学技術の振興や研究開発活動などの項目を追加すること」などの科学技術行政への提言をしていることも注目される。
この調査は、現在、科学技術行政において、従来の科学技術の研究開発に当たる機関や専門家を対象とした事業中心の施策から、科学技術に関する理解を広める事業などの一般国民を対象とした事業へと幅を広めていっているなか、ボランティア活動やNPOと行政との連携を施策の視野に入れていく必要があるとの認識のもと、行われたものである。
「科学技術の理解増進」、「自由な研究の場の提供」、「政策策定への参加」、「技術者の育成」、「技術の普及」の観点から、科学技術に関連が深い14のNPOについて事例調査を行い、レポートをまとめている。
レポートでは、調査を踏まえて、ボランティア活動やNPOとの連携を視野に入れた科学技術行政の展開について、以下のような提言を行っている。
(1)NPOを科学技術活動の主体の一つとして明確に位置づけるべきである。
・NPOの競争的研究資金獲得の促進
・NPO型研究所の整備に向けての支援
・科学技術への市民参加についてのNPOと連携した取り組み
・政策提言機能を持つNPOとの一層の対話の促進、情報の公開
(2)法的にもNPO法の別表で定められる特定非営利活動に科学技術活動を位置づけることが望ましい。
・NPO法の特定非営利活動に科学技術の振興や研究開発活動などの項目を追加すること
(3)科学技術行政としても科学技術活動を行っているNPOとの連携、支援を図っていくべきである。
・博物館・科学館等における「自立型」ボランティア団体であるNPOとの連携
・研究者を巻き込んで科学実験教室などを行うNPOへの支援
・技術者の育成に取り組むNPOに関する情報収集と連携
・社会に貢献する技術の普及を行うNPOとの連携・支援
同研究所では、調査研究の成果を広く活用してもらうため、希望者にレポートを無料で送付している。
希望の方は、以下に連絡してほしいとしている。
(連絡先)
文部科学省 科学技術政策研究所 第2調査研究グループ 担当:大釜
E-mail ohkama@nistep.go.jp
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