行政 : 経済財政諮問会議基本方針にもNPO支援
政府の経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は、11日、『今後の経済財政運営及び経済社会構造改革に関する基本方針(素案)』を公表した。
これは、今後の政府の経済社会構造改革の基本的指針をつくるための叩き台となるもの。
経済財政諮問会議では、6月下旬に最終的にまとめられ、その後各省庁で具体化に向けた行動計画が作成されることになる。
この基本方針素案では、NPOに関しては、分散して方針が盛り込まれている。
まず、前文である<新世紀維新が目指すもの--日本経済の再生シナリオ>において、「2. 構造改革のための7つの改革プログラム(政府機能を強化し、役割分担を抜本的に見直すために)」の「(6)地方自立・活性化プログラム–地方の潜在力の発揮」で、市町村再編、国庫補助・負担金削減、地方税の充実確保などとならんで、「介護福祉、まちづくり、リサイクルなど社会事業を担うNPOの支援強化」がうたわれている。
さらに、「第三章 社会保障制度の改革 – 国民の安心と生活の安定を支える」の「1. 国民の「安心」と生活の「安定」を支える社会保障制度の確立」において、以下のようにNPOに言及している。
(5)活力ある「共助」の社会の構築
健康、介護、保育などのサービスは、高齢化の進行や男女共同参画の進展などに伴い、多様な需要
が急速に拡大する成長分野である。規制改革やIT、バイオ・ゲノム等の技術革新などによって、新規
産業や新規雇用を創出する未来指向型の分野でもある。また、地域住民やNPO等のボランティアの幅広
い参加によって、介護や子育て等を社会全体で支え合う「共助」の社会を築き、すべての国民が積極
的に社会に参加し、それぞれの役割を果たすことができる活力ある社会がここから生まれる。
続けて、「第三章 社会保障制度の改革 – 国民の安心と生活の安定を支える」の「2. 社会保障制度全体に共通する課題」では、次のように言及されている。
(4)医療、介護、保育等のサービス分野での規制改革
医療、介護、保育等サービス給付を内容とする分野においては、そのサービスが効率的、かつ、十
分に供給されることが重要である。その際、サービスの質の確保に関するルールを設け、十分なチェッ
クを行っていくことが必要である。(いわば、「入口の規制ではなく事後の規制」)
これにより、営利・非営利を問わず様々な主体による多様なサービスの提供を実現していくととも
に、NPOやボランティア活動などを社会保障サービスの中に組み込み、地域住民の「共助」によるサー
ビスの提供を支援していくことが可能になる。
例えば、男女共同参画社会に向けて、保育所の公設民営化やPFIの導入、保育ママ、幼稚園における
預かり保育等多様な保育サービスの拡充などの規制改革を行う。
また、この第三章の「5. 介護」では以下のように述べている。
5. 介護
高齢者医療から介護サービスへの円滑な移行と連携を促進するとともに、介護サービスの供給体制の
整備充実を図る。特に、痴呆性高齢者のグループホームやケアハウスの拡充が急務である。また、地
域住民やNPOなど新たな担い手による創意工夫や民間活力、ケアマネージャー等の専門家によるサービ
ス利用の支援、市場原理を生かした効率的で質の高いサービス供給を確保する。