行政 : 黒磯市で補助金の見直し
黒磯市(栃木県・人口約4.9万)では、平成13年度から市の補助金交付に関して、全面見直しの作業を進めている。
黒磯市では、昨年度、民間による第三者の補助金等検討委員会を新たに立ち上げた。
まず、委員会で、補助金交付の評価基準を作り、平成12年度の予算措置された市の補助金を評価し、その改善について提言書を平成12年12月に提出した。
市の補助金は、昨年度128件、約4億9千4百万円になる。
補助金等検討委員会(学識経験者及び市民5名で構成)の評価は以下の5項目で、各項目を1~3点の得点を付け評価。その合計点でもってA~Dの4ランクとした。
- 公益性
- 時代性
- 実現性
- 黒磯らしさの独創性(黒磯らしさ等)
- 効果性
なお、このうちのDランクと評価された16件は原則交付すべきでないとした。
市では、検討委員会の見直し基準を基本に、助役、収入役、教育長、総務部長による「市単独補助金審査会」を平成13年4月に設置し、「黒磯市補助金等交付基準」が新たに定めた。
また、「黒磯市補助金交付規則」の見直しを行い、新たに以下の項目を加えた。
- 交付期間の設定(5年)
- 交付申請における交付目的や補助金の使途の明確化
- 実績報告における補助金担当課による評価等(補助効果の測定)
今回、一連の補助金見直しの結果として、平成13年度においては16件の補助金を廃止し、約660万円の削減が出来たとしている。
黒磯市では、見直しの最大の効果として、第三者による検討委員会の評価手法や、審査会の審議を通して、行政の責任分野や経費負担のありかたをあらためて認識したことであるとしている。
さらに、行政効果等に対する評価判断と市単独補助制度に関するシステムが確立されたことも効果に上げていている。
これに先立ち、黒磯市では、補助金の見直しのために、平成9年より庁内検討委員会等を組織して、検討結果を補助金担当課で実施することを提言していたが、思うような成果が上らなかった経緯がある。
さらに、既得権益化になりがちな補助金をめぐるシステムにメスを入れ、全体的な視野に立つ改革を行うためには、庁内検討の限界を感じていたという。
その後、我孫子市(千葉県)の事例を視察、研究し、
- 第三者による検討委員会の設置
- 平成12年度の予算措置された補助均等を検討対象
- 見直し基準作成(今後の補助金交付基準)
- 審査判定基準作成し評点表を集計
- 集計表から順位をつけて提言書とする
- 平成13年度当初予算に反映させる等
という手法を検討してきた。
黒磯市としては、この補助金の見直しを、さらに進めて、今後の行政改革の一歩にしたいとしている。