行政 : 各省の税制改正要望出そろう
平成14年度に向けた税制改正要望では、内閣府、厚生労働省、環境省が、NPO法人に関する税制改正要望を提出した。今年の税制改正は、認定NPO法人への課税の軽減の創設が大きな検討課題となる見込みだ。
8月31日までに、各省庁は、財務省に対して、平成14年度の予算要望と、税制改正要望を提出した。
この中で、NPO法人に関する税制改正要望は、以下の通り。
■内閣府
特定非営利活動法人に対する税制上の優遇措置(要望)
これからの我が国経済社会における特定非営利活動法人(以下「NPO法人」という。)の重要性
(「共助」社会の実現)にかんがみ、国税庁長官の認定を受けた特定非営利活動法人(以下「認定NPO
法人」という。)に対して、以下のような税制上の優遇措置を設けることを要望する。
みなし寄附金制度の導入
法人税(国税)・法人住民税法人税割及び法人事業税(地方税)
1. 寄附金の損金算入枠を公益法人並みに拡大
認定NPO法人制度は、各事業年度において支出した寄附金の額の損金算入限度額を公益法人
等と同等の取り扱い(当該事業年度の所得の金額の20%を限度として損金の額に算入する
ことができる)とする。
参考:現行
認定NPO法人 所得の金額の2.5%の範囲内で損金算入可
公益法人等 所得の金額の20%の範囲内で損金算入可
学校法人 社会福祉法人 更生保護法人
所得の金額の50%の範囲内で損金算入可
2. 「みなし寄附金」の適用
認定NPO法人がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出
した金額は、公益法人等と同等にその収益事業に係る寄附金の額とみなす(損金算入限度額は、
公益法人等と同等の所得の金額の20%とする。)制度を導入する。
参考:現行
認定NPO法人 適用なし
公益法人等 適用あり
学校法人 社会福祉法人 更生保護法人
適用あり
■厚生労働省
介護サービス事業・地域助け合い活動を行うNPO法人に関する税制上の支援を拡充する。
[ 対象税目:法人税、事業税等 ]
■環境省
NPOに関する平成14年度税制改正要望について
○環境保全活動を行う特定非営利活動法人(環境NPO)に対する優遇措置の充実
環境NPOに対する法人税及び法人事業税上の優遇措置の創設(みなし寄附金制度の導入)
[ NPOが収益事業に属する資産のうちから収益事業以外の事業(NPO本来の事業等)のために支出
した金額は、公益法人等と同様にその収益事業に係る寄附金の額とみなして損金に算入できる
制度を導入する。]