行政 : 政府、「NPOで職業訓練を」
政府の産業構造改革・雇用対策本部は、9月20日、新しい「総合雇用対策」ととりまとめ、発表した。その中で、大学・事業主・NPOなどを活用して、中高年ホワイトカラー離職者等への職業能力開発訓練を推進するとしている。
この「総合雇用対策」は、政府が「緊急かつ重点的に取り組むべき政策」をとりまとめたものとされており、「雇用の安定確保と新産業創出を目指して」という副題が掲げられている。
政府は、27日から始まった臨時国会を「雇用対策国会」と位置づけており、この「総合雇用対策」に基づいて、補正予算を組み立てていくとしている。
対策は、(1)雇用の受け皿整備、(2)雇用のミスマッチ解消、(3)セーフティーネットの整備、の3つの柱から構成されている。
この3本の柱は、以下のような内容であるとされている。
- (1)雇用の受け皿整備
思い切った規制・制度改革を通じた新市場・新産業を育成する。 - (2)雇用のミスマッチ解消
労働移動が円滑に行われるよう、官民の連携による職業紹介、能力開発を積極的に推進し、人材の適材適所を実現する。 - (3)セーフティネットの整備
広く国民が安心感を持って生活し、新たな意欲が喚起されるよう努める。
このうち、NPOについて直接言及があるのが、(2)雇用のミスマッチ解消と、(3)セーフティーネットの整備、の2つの項目に関して。
(2)雇用のミスマッチ解消では、以下のように言及されている。
3.民間活力を活かした多様な能力開発機会の確保・創出
職業訓練校等の公共職業訓練とともに、民間教育訓練機関を十分に活用して委託訓練を進め、多様
な能力開発機会を確保・創出する。
* 民間教育訓練機関や大学・大学院、事業主、NPOを始め、あらゆる教育訓練資源の最大限の活用
等を通じて、中高年ホワイトカラー離職者等に対し、雇用に結びつく効果的な職業能力開発を推進す
る。(補正予算要求検討中・14年度要求)
また、(3)セーフティネット整備では、以下のように言及されている。
1.地域のニーズを踏まえた雇用創出
地域の実情に応じた雇用創出を推進していくため、改正雇用対策法の施行にあわせ見直しをする助
成金制度の効果的な運用に努めるとともに、今年度までの事業である「緊急地域雇用特別交付金」の
見直しを行う。
* 現行の「緊急地域雇用特別交付金」を真に雇用創出効果の高い事業に重点化し、新たな緊急地域雇
用特別交付金を創設することにより、学校への教員補助者や警察支援要員、環境保全のための森林作
業員等公的部門(民間企業やNPOの活用も含む。)における緊急かつ臨時的な雇用(新公共サービ
ス雇用)の創出を推進する。(補正予算要求検討中)
「総合雇用対策」の全文は、首相官邸のホームページで見ることができる。