行政 : 三重県議会「NPO税制の要件緩和を」
9日、三重県議会は、「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)の要件緩和及び申請手続きの簡略化を求める意見書」を採択した。意見書は国に提出される。
意見書では、NPO支援税制の施行を画期的なことであるとして歓迎する一方で、「認定NPO法人」になるための要件が難しく、また申請手続きが困難であることを懸念し、改正を要望している。
この意見書は、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国税庁長官、衆議院議長、参議院議長宛となっており、今週中に届けられるという。
シーズが把握している限りでは、このようなNPO支援税制の改正を要望する意見書を議会が採択するのは、これが初めて。
なお、この意見書は、地方自治法第99条に基づくもの。地方自治法第第99条では、以下のように定められている。
第99条 [意見書の提出]
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を関係行政庁に
提出することができる。
意見書の全文は、下記の通り。
認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)の認定要件緩和
及び申請手続きの簡略化を求める意見書
本年3月28日、NPO支援税制の内容を含めた租税特別措置法等の一部を改正する法律が成立し、
10月1日から施行された。
これにより、「認定NPO法人」となれば、個人・法人の当該法人への寄附が寄附金控除等の対象
となり、平成10年に成立した特定非営利活動促進法と併せて、NPO活動の環境づくりに制度上取
り組んだ点で、日本の社会にとって画期的なことである。
しかしながら、「認定NPO法人」になるための要件は極めて厳しく、また、申請手続きが複雑か
つ困難で、多数のNPO法人がこの制度を活用できないと懸念する声が多くなっている。また、認定
を受けようとするがために、本来のNPO活動の健全な発展が阻害されるおそれがある。
これは、本制度がNPO活動の実態を全く考慮に入れていない内容であり、実質的な支援制度には
程遠いものと考えられる。
三重県議会は、21世紀はNPOの活動が様々な分野で重要な役割を果たす時代ととらえ、平成9
年10月13日「市民活動促進法案(NPO法案)早期成立に関する決議」を行い、平成12年10
月10日には特定非営利活動法人(NPO法人)に対する税制支援を求める意見書を国に対し提出し
たところである。
今後、幅広いNPO活動の支援を充実し、促進していくためにも、「認定NPO法人」になるため
の「認定要件」を緩和し、申請手続きの簡略化など早急に租税特別措置法等を改正されるよう強く要
望する。
上記のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成13年10月9日
三重県議会議長 西尾 文治