行政 : 明日NPO法附則の期限迎える
明日(11月30日)で、NPO法の附則に定められた見直しの期限を迎える。10月1日からNPO支援税制がスタートしたことにより、一応、附則は実現された形となった。明日、制度改革連絡会ではシンポジウムを開催し、制度改正の現状や課題を話し合う。
NPO法は、附則の第2項で以下のように定めている。
「特定非営利活動法人制度については、この法律の施行の日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」
この附則には、衆議院の内閣委員会で附帯決議が、以下のようについていた。
「特定非営利活動法人に関し、その活動の実態等を踏まえつつ、特定非営利活動の推進及び支援のための税制等を含めた、制度の見直しについて、この法律の施行の日から起算して2年以内に検討し、結論を得るものとする。」
この附則と附帯決議の解釈については、立法者から以下のように説明されていた。
「NPO法の改正については、税制も含めた形で、施行後2年以内に見直しの検討を行い、3年以内にその検討に基づき、必要な措置を講ずる」
つまり、NPO法の施行は、1998年12月1日なので、2000年11月30日までに、見直しの検討を行い、2001年11月30日までに必要な措置を講ずるということになる。
また、見直しの柱は、法人制度と税制度の2本であるということだった。
このような附則・附帯決議を受けて、国会議員とNPO支援団体との間で見直しの検討が進められてきたわけだ。
そして、まず、優先順位が高いとされた税制については、2000年12月14日に「NPO支援税制」を創設するという検討結果が出、2001年3月に、租税特別措置法の改正として制度が実現された。
検討期限と附帯決議でされていた2000年11月末という期限は2週間ほど延びたが、2001年11月までになんらかの措置を講ずるとした附則の定めはまもった形だ。
また、NPO法(法人制度)の改正についても、現在、検討が進められており、こちらは来年の通常国会で審議される見込みとなっている。
完全ではないが、税制が実現されたことにより、NPO法の附則は守られたといってよいだろう。また、附帯決議も、若干期限は延びたが、きちんと履行されたと評価できる。
NPO法の附則や附帯決議を定める過程では、国会議員の一部からも、「附則や附帯決議は一種のガス抜きで、守られないことが多い」「附帯決議は意味がない」といわれ、「税制改正はこれで永遠に実現できなくなった」と評されたことを思い出すと、少なくとも、NPO法に関しては、立法者であった国会議員は公約を果たしたと評価すべきだと考える。
しかし、一方で、この税制支援を受けるために認定申請したNPO法人は、全国で2件のみ(10月末時点)で、支援税制の実効性が問われている。また、NPO法の改正案もまだ検討される余地があるようだ。
こうした状況を受けて、シーズ他全国のNPO支援団体等36団体で構成する「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」では、NPO法の改正や支援税制の改善、施行後のNPO法人の急速に変化する現状などについて、説明し、今後の動きを話し合うため、下記のイベントを実施します。
ぜひ、ご参加ください。
記
「NPO制度は今後どうなるか?」
~NPO法・支援税制の改正の見込みは?課題と展望を探る~
日時: 2001年11月30日(金)午後6時30分~8時45分
会場: 中野サンプラザ 研修室2(8階)
中野区中野4-1-1 (JR中野駅北口より徒歩1分)
資料代:1000円
報告者:田中尚輝(NPO事業サポートセンター事務局長)
早瀬昇(大阪ボランティア協会事務局長)
松原 明(シーズ事務局長)
山岡義典(日本NPOセンター常務理事)
主催: NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
助成: トヨタ財団
問い合わせは、シーズ(03-5227-2008)まで