行政 : 議連、今国会での法改正を確認
NPO議員連盟は、19日、会長・事務局長・事務局次長会議を開き、NPO法改正について、3月末までには各党の合意をはかり、4月中には改正を図る方針を確認した。現行の予算主義条項は削除される方向だ。
19日の会議では、NPO法の改正について話し合われた。
昨年11月28日に熊代昭彦議員(NPO議員連盟事務局長)から提案された、「特定非営利活動促進法の改正案・要綱(案) 」は、各党が持ち帰って検討してくることとなっていた。
19日の会議では、以下のような討論がされた。
活動分野の追加に関する部分で、「ベンチャー教育等、起業活動の環境整備を図る活動」という項目については、NPOが商店街の活性化や雇用促進等の場面で活躍しているという状況もあり、もっと産業全体を視野に入れた記述にならないかということが検討された。
そして、活動分野が広がっているならば、分野の追加は、「4分野」ということにこだわらず、さらに細分化してもいいのではないかということも議論になった。
活動分野の項目については、次回の会長・事務局長・事務局次長会議に再度検討されることとなった。
活動分野の追加以外の部分については、各党ともこの「特定非営利活動促進法の改正案・要綱(案)」で了解した。
上記の改正案に追加して、さらに以下の3点の修正案が新たに示された。
- 会計の区分の方法、
- 役員の任期、
- 予算主義
- 会計の区分については、NPO法では区分会計をすることが定められているが、その区分の方法を、特定非営利活動に係る事業とその他事業の2区分にするか、それに収益事業を加えた3区分にするかという点。
- 役員の任期については、NPO法では役員の任期は2年となっているが、任期終了後の最初の総会までを任期として伸ばすことができるようにすることで、NPO法人の運営実態に合わせようというもの。
- 予算主義については、NPO法では「収入及び支出は、予算に基づいて行うこと」となっているが、法律で予算主義を義務づけることはNPOの活動実態・理念にそぐわないので、この条項を削除しようとしものである。
各党ともこの追加の修正案の 2. と 3. については了承した。
また、1. については、NPO活動の実態などを聞いて再検討することとなった。
加えて、熊代昭彦議員(NPO議員連盟事務局長)から、
- NPO法人の役員等が違法行為を行った場合にNPO法人の認証を取り消すことができるようにすること
- 事務所が複数の都道府県にまたがる場合の所轄庁を内閣府ではなく都道府県にすること
の2点についての検討要望が出された。
この2点は、各党持ち帰りとなった。
改正のスケジュールとしては、予算審議が終わる3月末までに成案を得、4月中に成立を目指すことが確認された。
最後に、認定NPO法人制度の改正について、この4月から一部の認定要件が改正されることになった旨が報告された。
これは、昨年、認定NPO法人の認定数がきわめて少ないことを受けて、NPO議員連盟が認定要件の一部緩和を強く求めていたものだ。
NPO議連の加藤紘一会長が認定要件の緩和について、政府と交渉した話が紹介され、施行からわずか2ヶ月ばかりであったにもかかわらず、一部改正を実現した経緯が説明された。
ただ、これらの改正が限定的なことに止まったことについて、加藤会長から、今年の課題として取り組まなければならないという表明がされた。