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2002年03月20日 10:00

行政 : NPO法改正案の要綱(案)

 3月12日、自民党のNPO特別委員会で了承されたNPO法改正案は、14日開かれたNPO議員連盟の事務局長・次長会議で、各党担当者に示された。各党が持ち帰って検討すし、3月中に改正案について党内手続きを図ることとなった。

 

特定非営利活動促進法の改正案・要綱(案)
非営利組織(NPO)に関する特別委員会平成14年3月12日
 特定非営利活動促進法(以下「法」という。)の附則では、法施行(平成10年12月)後3年以内(平成13年11月末)に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとされている。21世紀における特定非営利活動法人の社会的役割に鑑み、法を更に幅広くかつ適切に活用できるよう以下の点に関する改正を行うこととする。

1.活動分野の追加
 法第2条の別表に記載されている12の活動分野の項目に下記の項目を追加する。
(1)情報化社会の発展を図る活動
(2)科学技術及び学術の推進を図る活動
(3)経済活動の活性化を図る活動
(4)職業能力の開発及び雇用機会の創出を図る活動
(5)消費者の保護を図る活動

2.設立認証申請の場合の申請書類の簡素化
(1)法第10条に規定する申請書に添付する書類のうち、次の書類を省略する。

  • 設立者名簿
  • 設立当初の財産目録
  • 設立当初の事業年度を記載した書面

(2)法第10条に規定する申請書に添付する書類のうち、次の書類を統合する。

  • 役員名簿及び報酬を得る役員名簿
  • 就任承諾書と宣誓書

3.その他事業の明確化
 特定非営利活動に係る事業以外の事業としてその他事業を規定し、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り行うことができるものとする。また、その他事業を行う場合において、収益を生じたときは、これを特定非営利活動に係る事業のために使用するものとする。会計区分については、特定非営利活動に係る事業とその他事業の2つに区分するものとする。収益事業は、その他事業に含まれるものとする。

4.定款への記載事項の追加
 申請書類の省略、その他事業の明確化に伴い、定款に以下の内容を明記する。

  • その他事業に関する事項
  • 事業年度

5.暴力団等の排除の実効性の確保
(1)認証関係
1) 暴力団等の排除のために、法第12条に基づく認証基準の規定において暴力団等の範囲を以下、下線部(太字部)のように広げる。

  1. 暴力団
  2. 暴力団若しくはその構成員の統制下にある団体。その構成員(以下「暴力団の構成員等」という。)には、暴力団の構成団体の構成員又はその構成員でなくなった日から5年を経過しない者を含む。

2) 法第12条に基づく認証に当たり、所轄庁は、必要があると認めるときは、警察当局(所轄庁が内閣総理大臣の場合は警察庁長官、都道府県知事の場合は警視総監又は道府県警察本部長。以下同じ。)の意見を聴くことができるとする旨の規定を置く。

(2)役員の欠格事由関係
1) 法第20条の役員の欠格事由として、「暴力団の構成員等」を追加する。
2) 法第12条に基づく認証及び法第23条に基づく役員変更届の受理に当たり、所轄庁は、必要があると認めるときは、警察当局の意見を聴くことができるとする旨の規定を置く。

(3)監督関係
1) 所轄庁は、特定非営利活動法人について、暴力団等に該当するあるいはその役員が暴力団の構成員等に該当する疑いがあると認められる場合には、法第41条に基づく報告徴収又は立入検査を実施する前に警察当局に対し、その旨の意見を聴くことができる旨の規定を追加する。
2) 警察当局は、特定非営利活動法人について、暴力団等に該当するあるいはその役員が暴力団の構成員等に該当すると認められる場合には、所轄庁に対して意見を述べることができる旨の規定を置く。

6.役員任期の伸長
 役員任期(現行 法第24条 2年以内)について、定款で役員を社員総会で選任することとしているNPO法人は、定款により、後任の役員が選任されていない場合に限り、任期の末日後最初の社員総会が終結するまでの間、任期を伸長することができる。

7.事業の追加を伴う定款変更申請の場合の申請書類の追加
 事業の追加を伴う、定款変更(法第25条及び第26条)を行う場合、所轄庁へ提出する申請書類に次の書類を追加する。

  • 進行年及び翌年の事業計画書
  • 進行年及び翌年の収支予算書

8.予算の規定の削除
 法第27条1号(「収入及び支出は、予算に基づいて行うこと」)の規定を削除する。

9.虚偽報告、検査忌避等に対する罰則規定の新設
 法第41条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ又は忌避した者(理事、監事及び清算人)は、20万円以下の過料に処する旨の規定を追加する。

10.課税の特例
 特定非営利活動法人は、租税特別措置法の定めるところにより、その運営組織及び事業活動が適正であること並びに公益の増進に資することにつき一定の要件を満たすものとして、国税庁長官に認定を求めることができる。
 前項の認定を受けようとする特定非営利活動法人は、租税特別措置法の定めるところにより申請書を、その主たる事務所又は納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出しなければならない。
 個人又は法人が、国税庁長官の認定を受けた特定非営利活動法人に対し、当該認定を受けた特定非営利活動法人の行う特定非営利活動に係る事業に関連する寄附又は贈与をした場合には、租税特別措置法で定めるところにより、所得税、法人税又は相続税について課税の特例の適用があるものとする。

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