行政 : NPOでグリーン・ツーリズムを
農水省は、グリーン・ツーリズムのいっそうの促進を図るために、2003年度から、補助金の対象をNPOに広げる。来年度の予算要求に計上した。NPOを活用することで、都市住民と農山漁村のニーズをつなぎたいとしている。
農林水産省(農村振興局地域振興課)は、グリーン・ツーリズムを、農山漁村の活性化、都市と農山漁村の共存関係の構築のための一つの重要な施策と位置付けて取り組んできた。
しかし、農林漁業・農山漁村体験を求める都市住民は増加しているが経験者はごく少数にとどまっていること、農山漁村側の地域活性化への期待に応えるところまで至っていないことなど課題となっている。
このような課題に対し、農水省は、2003年度から、都市と農山漁村の共生・対流を促進することをねらいとする「新グリーン・ツーリズム総合推進対策(概算要求額約16億円)」を打ち出した。
事業概要は以下の通り。
<事業概要>
- 戦略1 ライフステージごとにニーズに配慮した新たなグリーン・ツーリズムモデルの提案・普及
- 戦略2 農産漁村の提供拠点となるグリーン・ツーリズムセンター機能の確立
- 戦略3 グリーン・ツーリズム(交流・体験サービス)の育成
- 戦略4 農産漁村の魅力向上のための自発的取組の支援
- 地域連携システム整備事業
- 修学旅行等受入条件整備事業
- やすらぎ空間整備事業
事業の実施に当たっては、都道府県、市区町村、農協等に加えて、補助金の交付対象をNPOにまで拡大する予定だ。
農水省は、「これまでの事業は、都市住民のニーズ、農村住民のニーズ、それぞれに対応してきた。今後は、都市住民と農村住民の架け橋が必要と考え、その役割をNPOが担ってくれることを期待している」と狙いを語っている。
現在のところ、補助金申請の方法や、交付先となるNPOの条件は、明確にはなっていない。担当者は「補助事業を受けてもらうには、ある程度、責任主体が明らかにされていなければならないので、おそらくNPO法人格をもった団体ということになるのではないか」とのこと。
今後のスケジュールとしては、本年12月末までに、研究会やヒアリングの機会を設けて、ニーズがあるのか、この分野で活躍するNPOにどんな団体があるのか、どういうNPOを交付先に選定すべきかなどを調査した上で、事業内容を決定する予定となっている。
事業要項が明らかになるのは、来年2月頃の予定。
事業内容の詳細は、以下のホームページを参照のこと。
http://www.maff.go.jp/soshiki/koukai/gt/frame.htm
※農水省は、グリーン・ツーリズムを「緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型余暇活動」と定義している。