行政 : 那覇市、NPOで地域活性化
那覇市では、地域の自治会や通り会などとNPOが連携して地域活性化を図るモデル事業「コミュニティいきいきプロジェクト」を2003年度から3年間実施する。初年度予算額は約400万円。
那覇市(翁長雄志市長)は、2003年度から地域活性化を図るため、「コミュニティいきいきプロジェクト」をスタートさせる。
この事業は、小学校区ごとに、学校を拠点として、地域の人々が交流できる場の提供や学校の「総合的な学習時間」を活用した学校と地域とNPOの連携事業の実施などを行うことにより、地域のニーズや課題を掘り起こし、解決していこうというもの。事業実施にあたっては、コーディネーター役にNPOをあて、自治会や青年会などととの連携により課題の解決を行うとしている。
最初は、モデル事業として、大道小学校区で行う。
この地域が選定された理由としては、すでにいくつかのNPOが地域活性化事業に取り組んでいること、自治会・通り会・青年会・病院などの各種団体が連携した活動を始めているなど。
事業を実施するNPOについては、来年3月に行われる公開コンペを経て、決定される予定だ。
今後実施される事業メニューには、日常的な事務所開設や地域の人が自由に交流できるサロンの運営のほか、総合学習の授業の企画実施、児童クラブやネットカフェなどの運営、月1回のミニイベントの開催などが挙げられている。
事業実施にあたっては、地域・学校・NPOとの連携、地域の情報化など、さまざまな要素を組み合わせた事業を行うことが要求されており、いわゆる行政の縦割りによる枠組みを超えた事業となっている。
また、この事業を委託されたNPOは、単なる事業の企画推進だけでなく、3年後にこれらの事業運営を地域の人に引き継いでもらうことを目標に、人材の発掘とノウハウの提供、資金源の開拓も行うことも期待されている。
那覇市では、将来的には、市内の35小学校区ごとに、地域住民が主体となって運営する拠点がつくられることを期待している。
今回の事業は、那覇市が1999年度から実施してきた「公益信託那覇市NPO活動支援基金」の助成団体と、その実績を基に議論を重ねて、企画・予算化されてきたもの。
この基金の運営にあたってきた那覇市立・那覇市NPO支援センターの具志真孝さんは、「予算は当初のものから大幅に削減されたが、この事業がうまくいくことによって、よりNPOの役割が地域に、そして市役所の職員に理解されることを願っている。10月から対象地域に入り、地域の課題やニーズなどの調査を開始する。事業の委託先となるNPOの発掘にも努めなければ」と話している。