行政 : NPO法人実態調査の結果公表
10月29日、シーズは「NPO支援税制改正のためのNPO法人実態調査」の結果を公表。 ホームページにも掲載した。この調査により、現行の認定要件のひとつである、寄附金額の総収入に占める割合を引き下げるだけでは、9割以上のNPO法人が認定を受けられないままであることなど、抜本的な改正が必要であることが明らかになった。
10月29日、シーズは「NPO支援税制改正のためのNPO法人実態調査」の結果について記者発表を行った。同様の結果は、現在シーズのホームページにおいても公表中である。
このアンケート調査は、国会においてもNPO支援税制の改正は「NPO法人の実態を見て」検討するとされていることから、この実態を示し、実際にNPOが使える税制に変えることを目的に、今年6月から8月にかけてシーズが、「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」との協力で実施したもの。
8月12日までに、全国746のNPO法人から回答を得た。
この調査の結果、判明したことは以下のことである。
- 現行の支援税制で問題とされている日本版パブリック・サポート・テスト(寄附収入が総収入金額等の1/3以上であることとする要件)は、96.6%のNPO法人がパスできない。
- 「広域性の要件」(一つの自治体内だけで活動している場合はダメという要件)をパスできない法人は、回答法人の33.3%となる。そのうち、4分の3は「保健・医療・福祉」分野の法人となっている。
- 会員等を対象とした活動を半分以上行うと認定を受けられない「共益性の排除の要件」を適用すると21.0%の法人がパスできない。
- 一定金額以上の寄附者名簿が税務署で閲覧されたり、海外送金などの際に事前届出が義務化されたり、認定の有効期間が2年間と短いことなどから、たとえ要件 を全て満たす法人でも、実際の申請となると割合はさらに減少する。
- 現行の支援税制で問題とされている日本版パブリック・サポート・テスト(寄附収入が総収入金額等の1/3以上であることとする要件)の右辺を、1/3から1/10に変えても、93.5%のNPO法人がパスできない。(ただし、他の要件を加えない場合。実際は、地域性の要件や共益性排除の要件などで、さらに半減程度することになる。)
これらのことから、シーズでは、今後、12月の税制改正に向けて、日本版パブリックサポートテストについては抜本的な見直しが必要であるほか、広域性の要件は撤廃する必要があるなど、きちんとした改正を求めていくとしている。