行政 : 連絡会、制度改正に向けて国会行動
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会は、2002年11月18日、各党のNPO担当議員を招き、『認定NPO法人制度改正決起集会』を行った。翌19日には、要望書と賛同署名を、NPOに関係する国会議員へ届け、制度改正の必要性を訴えた。
「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」(以下、連絡会)は、2002年11月18日(月)午後6時半から、星陵会館(東京都千代田区)にて、『認定NPO法人制度改正決起集会~政府、国会議員に実現の要請行動を』を開催した。
全国から約350人のNPO関係者、そして、与野党の7人の国会議員などが参加し、集会は熱気に包まれた。
この集会に参加したのは、次の国会議員。
- 熊代昭彦衆議院議員(自由民主党)
- 山本保参議院議員(公明党)
- 小池百合子衆議院議員(保守党)
- 石毛えい子衆議院議員(民主党)
- 広野ただし参議院議員(自由党)
- 吉川春子参議院議員(日本共産党)
- 植田至紀衆議院議員(社会民主党)
この集会に先立ち、連絡会では、全国3036のNPO法人の代表者・役職者から、要望書への賛同署名を集めていた。これは、2002年6月末までに認証を受けたNPO法人7314法人に対して呼びかけたもので、全体の4割を超えるNPO法人の代表者・責任者からこの署名への賛同を得ている。(その後、11月15日までに28団体が追加され、3064名となった)
この集会では、出席した国会議員に制度改正の要望書とその賛同署名名簿を手渡すとともに、制度改善の必要性を訴えた。
集会では、山岡義典氏(日本NPOセンター常務理事)が、「現行の認定NPO法人制度は、認定を受けるための要件が厳しすぎる。2001年10月1日に同制度がスタートしてから、全国のNPO法人約8700法人のうち、わずか9法人しか認定されていない」と現状を説明。
認定要件の問題点として、(1)パブリックサポートテスト、(2) 広域性の要件、(3) 共益団体排除の規定、(4) 社員などの親族の制限、(5) 海外送金手続きの煩雑さ、(6) 情報公開基準、(7) 書類の煩雑さなどを挙げ、「これらを総合的に抜本的に改正しなくては解決しない」と訴えた。
それを受けて、熊代昭彦衆議院議員(自由民主党)は、次のように答えた。
「認定NPO法人制度の改善点としては、具体的にはパブリックサポートテストの修正を検討していきたい。特に、(1) 寄附金の算定対象外を1000円(現行3000円)未満とする、(2) 国・地方公共団体・国際機関・公益法人・特殊法人または独立行政法人からの補助金・助成金・委託事業費について分母分子に全額算入する、(3) 広域性の要件の削除などによって、いろいろな形でNPOが成り立つようにしていきたい。いいNPOが大きく育つための、無用な行政の干渉を受けない制度つくりを目指したい。」
参加した国会議員の発言の後、各分野で活躍するNPO法人の代表者が現場の声を伝えた。最後に、認定NPO法人制度の改善に向けて、NPO側も力を合わせて取り組んでいくことを確認した。
18日の決起集会の報告は、こちらを参照。
https://www.npoweb.jp/0802/event_info.php3?article_id=819
また、翌19日には、前日の集会を受け、認定NPO法人制度の改善のための国会要請行動を行った。北海道から福岡までの全国各地から、連絡会参加団体および関係団体から46名が参加、のべ237国会議員を訪問し、制度改正の要望書とその賛同署名を手渡し、制度改正の趣旨を説明し、その切実さを訴えた。
連絡会は、今後も引き続き、熊本(11/23)、栃木(11/29)、岡山(11/30)で集会を行う。また、各地でもこの賛同署名を関連する国会議員に届け、制度改正を求める予定としている。