行政 : 中環審「民主導の環境保全へ」
環境省の諮問機関である中央環境審議会は、12月17日、「環境保全活動の活性化方策について」の中間答申を発表した。環境保全の担い手としてNPOなどの民間活動の重要性を強調、規制行政からの脱却を求めている。環境省はこれを受けて、基本方針の法制化も視野にいれながら、予算化できる事業を検討、来年度から順次実施していく方針。
中央環境審議会は昨年4月、環境省の諮問を受けて、同審議会・総合政策部会・環境保全活動活性化専門委員会(森嶌昭夫部会長)内で、「環境保全活動の活性化方策」について審議を続けてきた。
昨年11月に、答申案をまとめ、パブリックコメントを募集。その結果を受けて、加筆・修正したもので、市民団体や事業者が自発的に取り組んでいる環境保全活動の現状把握と課題、包括的な施策を取りまとめたものである。
ポイントは、国の規制による環境保全活動の推進という従来の手法ではなく、NPO、企業、地方公共団体などが、環境保全活動の重要な担い手であるとして、民間・地域主導の環境保全活動の推進を強く打ち出している点。
とりわけ、NPOは、「他に代えられない固有の特性や機能を持つことを踏まえると、大きな役割を担うことが期待される」としている。
具体的施策としては、長期的な構想などを明記した基本方針の策定や、パートナーシップを促進する全国評議会、地方評議会の設立、インターンシップ等の活用による人材制度の充実、環境保全活動を支援し、情報を提供・共有するための拠点の確保、地球環境基金事業の拡充等による資金確保や国際的な環境保全活動の活性化策の実施などを求めている。
NPO支援策については、環境NPOにとって有力な資金源となっている、環境事業団による地球環境基金事業の審査基準の透明性の確保や、評価機能の強化、助成実施までのつなぎ融資制度の充実、海外NPOへの派遣研修や、国際的な環境保全活動等への助成制度の拡充などを提案。
一定の公益性や継続性が担保される行政などとの協働事業については、人件費を含めた事務局運営費の支援の仕組みをつくるべきであるとした。
環境省はこれを受けて、基本方針の法制化も視野にいれながら、予算化できる事業を検討、来年度から順次実施していきたいとしている。
この答申は以下のURLを参照のこと。
http://www.env.go.jp/policy/hosaku/index.html
なお、パブリックコメントは、全国の市民団体や個人、各県の環境カウンセラー協会などから20日間の募集期間内に53通、253項目についての意見が集まった。このパブリックコメントについては、以下のURLで詳細を読むことができる。
http://www.env.go.jp/council/02policy/y020-10/mat_01.pdf