行政 : 堀田氏v.s.財務省、決着つかず
21日午前、政府税制調査会非営利法人課税ワーキンググループは、非営利法人に関する課税を検討する会議を行った。「非営利法人は原則課税」という方針をめぐって、堀田力氏(さわやか福祉財団)と財務省側が対立。2時間議論をしたが決着はつかず、結論は次回に持ち越しとなった。
21日午前、政府税制調査会非営利法人課税ワーキンググループは、非営利法人に関する課税を検討する会議を行った。「非営利法人は原則課税」という方針をめぐって、堀田力氏(さわやか福祉財団)と財務省側が対立。2時間議論をしたが決着はつかず、結論は次回に持ち越しとなった。 堀田氏は、政府の税制調査会(首相の諮問機関)のもとに、昨年10月に設置された「非営利法人ワーキングチーム」の委員をつとめている。
ワーキングチームでは、2月7日から、新しい非営利法人に関する課税に関しての議論を本格化させたが、同日、財務省から示された基本方針は、「非営利法人は原則課税」というものだった。この方針に堀田氏は強く反発。12日に独自の対案を作成して財務省に提出、13日、財務省と協議したが、物別れに終わった。
堀田氏は、この経緯に関し14日以降、ホームページ等で財務省の考えと堀田氏の対案について公表。次回会合が開かれる21日に向けて全国から、意見と応援のメールを募集していた。
堀田氏が指摘する財務省案と堀田対案の違いは、大きく次の2点。
- 社団法人/財団法人、NPO法人、中間法人をまとめて新しく作られる「非営利法人」について、財務省案は原則課税であるのに対し、堀田対案は原則非課税である点
- 「非営利法人」のうちで公益性が認められた「登録法人」に対して、財務省案は原則非課税であるものの対価をえる事業には課税としているのに対し、堀田対案は対価をえる事業のなかでも法人の目的に沿った本来事業であれば非課税とする点
21日午前に、ワーキンググループの会合が開かれた後、堀田氏は、さわやか福祉財団の事務所で緊急記者会見を開催。ワーキンググループでの議論について口頭で説明した。
会見のポイントは以下の通り。
- 2月14日以降、インターネット上で現在の議論について意見を求めたところ、20日までに162人から意見が寄せられた。その多くはNPO関係者だった。
- 寄せられた意見では、ほとんどすべての人が、非公開で進む政府のやり方に怒りと強い不信感を表明した。
- 寄せられた意見では、大多数の人が堀田案支持である。
- 寄せられた意見では、かなりの人が、非営利法人を原則課税とすることに反対をした。
- 寄せられた意見では、内部留保は、事業遂行上必要な資金をためる行為として、その制限には反対意見が強い。
- 本日のワーキンググループの会合では、堀田氏と財務省がそれぞれ意見を述べてから自由討議が行われた。
- 本日のワーキンググループの会合で、「非営利法人の原則課税が決定するのでは」という観測もあったが、決着はつかなかった。議論は、次回3月4日の会合に持ち越しとなった。
- 3月中旬までに成案を得るという財務省のスケジュールに今のところ変更はない。
なお、本日ワーキンググループで財務省が配布した資料については、以下の財務省のホームページで見ることができる。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/siryou/hwg004.htm