行政 : JNPOC、公益法人改革で提言
日本NPOセンター(JNPOC)は、3月25日、「公益法人制度改革の進め方についての提言」を発表した。公益法人と中間法人を別にすることや、NPO法人に関して当面分離して扱うことを求めている。
日本NPOセンター(JNPOC)は、3月25日、「公益法人制度改革の進め方についての提言」を発表した。公益法人と中間法人を別にすることや、NPO法人に関して当面分離して扱うことを求めている。 提言は、3月25日に開催されたシンポジウム「公益法人制度改革を問う」(主催:シーズ=市民活動を支える制度をつくる会、日本NPOセンター)で発表された。
発表主体は、日本NPOセンター理事会となっている。
提言では、十分な国民的議論を踏まえて改革を実施することや、とりあえず、公益法人だけの改革に絞ることを求めている。
提言の全文は以下の通り。
公益法人制度の抜本改革の進め方についての提言
2003年3月25日
特定非営利活動法人日本NPOセンター
理事会
2002年3月の閣議決定に基づき、内閣府行政改革推進事務局ではこの3月を目途に公益法人制度の改革大綱をまとめるべく作業を進めてきており、また政府税制調査会では、その改革にもとづく税制のあり方について検討を進めてきた。現在その作業は最終的な段階にきているが、その議論については多くの問題が指摘されている。最終案はまだ見えない状況にあるが、私たちはこの改革の進め方について、以下のように考える。
1.100年以上にわたって根付いてきた民法34条による公益法人制度の改革は、行政改革の視点だけではなく、自由で活発な民間非営利活動をどのように育てていくかという長期的な観点から、十分な国民的議論を踏まえて実施されるべきであり、拙速な閣議決定によって硬直的な枠組みを決めることのないようにすべきである。
2.行革推進事務局においては、公益法人と特定非営利活動法人に中間法人も加えて一つの法人類型とし、準則主義によって設立が可能なものとするよう検討してきたが、中間法人は本来的に前2者とは性質を異にするものであり、別の法人類型として切り離して考えるべきである。
3.特定非営利活動法人については、漸く定着しはじめた特定非営利活動法人の独自の発展を尊重する観点から、今回の政府による公益法人制度改革においては、当面分離して扱う方向となってきたが、現状では妥当な措置と考えられる(※)。
4.以上から、当面の公益法人改革は、これまでの主務官庁の許可主義を旨とする公益法人制度を準則主義に切り替えることに絞るべきであり、その場合、新たな法人制度においても、非分配である以上、非課税の原則を貫くべきである。
※ なお特定非営利活動促進法は現在の民法34条にもとづく特別法という制約の中で成立したこともあって多くの課題を内包しており、民法改正とともに、より自由度の高い活動が保障されるよう、その本格的な改革が求められる。今回の公益法人改革の方向を見定め、それが特定非営利活動法人制度が目指すべき方向と一致することが確認されるなら、二つの法人制度は統合することがふさわしい。むしろ、そのようなものとして、今回の公益法人制度改革はなされるべきである。