行政 : 法人改革で与党NPOヒアリング
3月13日、国会議員会館(千代田区永田町)において、NPO議員連盟・与党会議が開催され、公益法人制度改革に関してNPO側に対するヒアリングが行われた。政府案に対するNPO側の批判に対して、議員側からは、「とりあえずNPO法人は別にして、公益法人制度改革の出来を見て、統合するべきかどうか検討する」という方針が説明された。
3月13日、国会議員会館(千代田区永田町)において、NPO議員連盟・与党会議が開催され、公益法人制度改革に関してNPO側に対するヒアリングが行われた。政府案に対するNPO側の批判に対して、議員側からは、「とりあえずNPO法人は別にして、公益法人制度改革の出来を見て、統合するべきかどうか検討する」という方針が説明された。 会合は、午後3時から開催された。
この日の議題は「公益法人改革における政府税調小委(NPO法人等非営利法人の税制)への対応についてNPO団体からヒアリング」。約50名の参加議員(秘書含む)があった。
会議は額賀福志郎会長の挨拶の後、NPO議員連盟事務局長の熊代昭彦衆議院議員の司会で進められた。
なお、この日の与党会議に先立つ13日、自民党は政府の行政改革推進事務局へ「NPO法人については非営利法人として最初から一括りとすることはせず、新たな非営利法人制度の動向を見据えた段階で、発展的に解消する可能性が高いとの位置付けをすることが適当である」と申し入れをしている。
この申し入れについて、熊代議員から「とりあえずはNPO法人は別にして公益法人の制度の改革を行う。そのでき具合を見て、よいものだったらNPO法人もそこに統合する。あまり良くない場合は、別にしておくことも検討する」ということである旨の説明があった。
また、今回、議連の与党側だけのヒアリングとなったことについては、「税制の問題なので、税制はまず与党でやることなので」との説明があった。
NPO側からのメインスピーカーは次の6人。
堀田力(さわやか福祉財団理事長)
早瀬昇(大阪ボランティア協会事務局長)
山根真知子(NPO事業サポートセンター事務局次長)
須見彰(プロジェクトHOPEジャパン代表)
山岡義典(日本NPOセンター常務理事)
松原明(シーズ事務局長)
また、上記の他に5つのNPO法人も意見交換に参加した。
NPOからは意見は次のような意見が述べられた。
- 今回の公益法人改革は、基本構造が国民に知らされることもなく進め方が乱暴。
- 自民党の申し入れには感謝している。ただ、緊急避難的にはありがたいが、将来NPOもこの改革に合流させられる可能性がある。よって公益法人改革はNPOの視点から進めて欲しい。
- そもそもNPO法人、公益法人、中間法人を一括りにすることには無理がある。法人化すると損をするという団体もある。市民活動を阻む結果になる。
- 現在のNPO法を後退させてはならない。そもそも、基本構造と税制がばらばらに議論されているのも問題。総合的な視点が必要。
- 準則主義で法人格を取得できるのは良いが、まずは公益法人を改革し、その後、全体を考えるべき。公益法人とNPO法人をいっしょにするなら、公益法人がNPO法人に近づくべき。
- 非公開で進められてきた部分が多く、NPOは2月上旬の新聞記事などを見て驚き、また不安を覚えている。議員の先生たちのおかげでNPO法人は別になりそうだが、いつ統合されるのか、という不安は今でも大きい。
- NPO法は国会議員の方々の努力と市民側の協力で作られてきたが、今回の公益法人制度改革はその主旨が十分顧みられないまま進められていることへの不安がある。
- 登録法人になっても対価性のあるものが全て課税ということに不安を覚えている。
- 今後の議論は公開として、じっくり改革していくことが重要。
議員からは、「基本的には統合されていくべきものなので、その覚悟で制度を徹底的に良いものにする必要がある。ただし、登録制度が複雑すぎると問題だろう」「一般的には公益法人もNPO法人も実態的区別がつけにくいため、市民の理解をどうするかという課題もある」「介護保険は社会福祉法人は非課税なのにNPO法人は課税、みなし寄附金も社会福祉法人は50%なのに認定NPO法人は20%という点なども問題で、みなし寄附はもっと拡大してもいいのではないか」 「非営利についての基本法のようなものをつくり、そのもとに『公益非営利法人』とか『市民非営利法人』などがあってもよいかもしれない」などという趣旨の意見があった。