行政 : 連絡会世話人会、政府に申し入れ
3月10日、「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」の世話人会は、「公益法人制度改革に対する申入れ書」を、政府に提出した。公益法人制度改革に関して、まず、公益法人制度改革を優先すべきで、NPO法人や中間法人などは、現時点で含めるべきでないとしている。
3月10日、「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」の世話人会は、「公益法人制度改革に対する申入れ書」を、政府に提出した。公益法人制度改革に関して、まず、公益法人制度改革を優先すべきで、NPO法人や中間法人などは、現時点で含めるべきでないとしている。 NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会は、全国40のNPO/NGO支援団体でつくるネットワーク。
1999年から、NPO法改正や、NPO支援税制の創設に取り組んできた。
申入れ書は、石弘光政府税制調査会会長と石原伸晃行政改革担当・規制改革担当大臣宛となっている。
申し入れは、世話人の田中尚輝(NPO事業サポートセンター)、鈴木稀王(芸術文化振興連絡会議)が行った。
申し入れ書内容は、以下の通り。
公益法人制度改革に対する申入れ書
2003年3月10日
NPO/NGO税・法人制度改革連絡会世話人会
この度、政府が検討していると報じられている内容に関して「NPO・NGO税・法人制度改革連絡会世話人会」(注)としては重大な疑義を感じ、次の点について、行政改革推進事務局と税制調査会に申入れます。
- 非営利法人制度の抜本的改革にあたっては、公益法人(財団法人、社団法人)、NPO法人、中間法人の三法人という制度趣旨の違う法人の一本化を最初に行なうことがまず問題である。一般法である公益法人制度をきちんと見直した上で、その特別法であるNPO法人、社会福祉法人、学校法人といった関連する特別法を包括的かつ抜本的に改革すべきである。中間法人制度については、その後に、このような制度体系と整合性を図るべきである。現時点で、NPO法人や中間法人を公益法人制度改革の中に含めるべきではない。
- 悪質な法人を排除することを主眼にして審議されて(政府税調ワーキング部会)いるようであり、この点の改革については必要である。だが、その悪質な部分の多くは政府が関与する公益法人であり、その改革と政府が関与しない民間団体であるNPO法人までを混同し、また、その上で、法人制度改革として解決しようとしても悪質な法人を改革することにはならない。
- NPO法は、市民活動団体が簡易に法人となり、原則非課税とし、自由に活動できる基盤を築いた制度であり、市民社会の発展に大きく寄与している。この理念や制度が後退するような改革であってはならない。
- 制度の構築にあたっては、民間非営利活動の担い手である団体や、その支援者・受益者である広範な市民の意見が十分反映されるよう、公開と参加を基本的な手法とするべきである。
- 現状は、政府の行政改革推進事務局と税制調査会とで、法人制度と税制度をバラバラに議論している。民間非営利活動の促進という視点からは、本来、法人制度と税制度は、一体化して議論し、全体構想のあり方を問うべきである。
(注)NPO/NGO税・法人制度改革連絡会世話人会の構成
国際協力NGOセンター(JANIC)
NPO事業サポートセンター
大阪ボランティア協会
芸術文化振興連絡会議
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
子ども劇場全国センター
日本NPOセンター
- NPO・NGO税・制度改革連絡会世話人会は、特定非営利活動促進法(通称NPO法)に関する税制改革と法人制度改革について検討し実現する運動体として、全国28団体が賛同し1999年6月8日に発足しました(現在40団体)。