行政 : 女性の社会参画でNPOに期待
政府の男女共同参画会議は、4月8日、女性の社会進出を促すための報告書「女性のチャレンジ支援策」を決定、小泉首相に提出した。このなかで、管理職などの「指導的地位」に占める女性の割合を2020年までに30%にする目標を明記した。報告書では、NPOを、多様な働き方を可能とする職場として期待を表明している。
男女共同参画会議(議長:福田康夫官房長官)は、平成13年1月に内閣府内に設置、男女共同参画社会を実現するための施策の検討や、実施状況の監視、影響調査などを行っている。
今回の意見書をまとめたのは、同会議のもとに設置された、「基本問題専門調査会」(会長:岩男壽美子武蔵工業大学教授)。
小泉首相から指示を受け、暮らしの構造改革の一環として、同専門調査会では、平成14年1月より、様々な分野における女性のチャレンジを促進する施策などについて検討してきたもの。
このなかで、国会議員や行政職員、企業の管理職など指導的地位に占める女性の割合を「2020年までに少なくとも30%程度になるように期待する」としている。
この「30%程度」という期待値達成のために、国としては民間に先行して、平成17年度までにこの意見に沿った取り組みを進めるとともに、公益法人などに対して、国の取り組みに準じた協力要請を行うとしている。
企業に対しては、雇用状況報告書の提出や、ポジティブ・アクションの計画策定の義務づけ、入札参加条件に女性の登用度などを基準として導入することなどを提言している。
NPOに対しては、多様な働き方のひとつとして注目されており、女性の活躍が著しいNPOを紹介するなど、NPOに参加したいと思う女性たちに、効果的な情報提供や支援策が必要であるとしている。
また、チャレンジ支援のためのネットワーク形成が重要であるとして、以下のような取り組みを行うとしている。
- 国による女性のチャレンジ支援関連施策の情報を総合的に提供するため、関係府省と産業界、大学、研究機関、NPO法人等によって構成される「チャレンジ支援ネットワーク研究会」を設置する。
- 地域においても、複数の関係支援機関が参画する「チャレンジ支援地域連絡協議会」を設置する。
- 平成15年度は、チャレンジ支援のためのネットワーク形成の重要性を周知するための「チャレンジキャンペーン」を行う。
内閣府では、これら目標と具体策について立法化を視野にいれた検討にはいっているほか、平成15年度中には、各府省が独自に展開している支援策や地方自治体の情報を総合的に提供する情報提供システムを構築する。
詳しくは以下のURLを参照のこと。
http://www.gender.go.jp/main_contents/framedata/link/sankaku-kaigi.html