行政 : 長野市、NPOに事務ブース貸与
長野市は、市内中心部にある旧ダイエーが撤退したビルの跡地利用策として、ＮＰＯ共同オフィスを設置。入居団体の募集を５月１日から開始した。ビルには、共同オフィスの他に、市民公益活動センターや、NPO向けの会議室、国際交流コーナー、こどもひろばなどが設置される。
長野市内中心部である、善光寺、県庁、市役所を含む長野駅周辺地域は、居住者の減少などに加え、２０００年７月の大手百貨店そごうの破綻、２０００年１２月のダイエー長野店の閉店などで、急速に中心市街地の求心力が低下し、その再生が大きな課題となっていた。
そごう跡地については２００２年８月に信越放送が本社機能を移転することを発表した。一方、駅から若干離れた場所に位置する旧ダイエービル（地下１階、地上８階）については、市が中心市街地活性化を目的に、建物と底地の一部を破格値で取得。新たなまちづくりの先導拠点とするべく、住民代表や学識経験者からなる「長野中央地域まちづくり検討委員会」を設置し、利用策を検討していた。
その結果、ビルの利用策として、とりあえず地下１階から３階までを「市民の各種活動支援や交流促進の場」とすることを決定。
以下のような利用策を決定した。
- 地下１階演劇の練習や講演会ができるホールなど
- １階長野商工会議所が中心となって結成されたＴＭＯ※が運営する食品館
- ２階こどもたちの雨天時や冬季の遊び場として利用でき、子育て相談などを受けることもできる「こどもひろば」（ＮＰＯ法人ながのこどもの城いきいきプロジェクトが受託運営）
- ３階市民公益活動団体の活動支援・情報発信拠点だる市民公益活動センター、ＮＰＯ共同オフィスのほかに、会議室や談話スペース、印刷作業室、国際交流コーナーなど。
また、ビルの愛称は、市民から公募した結果、「もんぜんぷら座」となった。
今回、共同オフィス内の事務ブースの募集を開始したもの。
募集概要は以下の通りとなっている。
- 今回募集となるのは、３階のＮＰＯ共同オフィス（６２平米）内の事務ブース１２団体分。
- １ブースは約３．５平米。主要設備は机１、イス２、キャビネット１など。電気コンセントと電話回線が１回線（設置費用、通話料等は自己負担)。賃料は月５０００円。最初の６月は期間が短いので２５００円となる。利用期間は最長で２年間。
- 応募できるのは、政治・宗教団体を除く市民公益活動団体で、専用の事務所を有さず、人件費を含む年間非営利収入が１０００万円以下。１週間に４日以上は「事務用ブース」で執務する計画があることなどが条件とされている。
- 募集期間は５月１日から５月２０日で、応募多数の場合は抽選とする。
詳しい募集要綱は下記のＵＲＬからみることができる。
http://www.city.nagano.nagano.jp/ikka/kikaku/npo/top.htm
なお、この３階の市民公益活動センターの管理運営は、NPO法人長野県NPOセンターが受託している。
また、このビルは、当面は地下１階から地上３階までがオープン。先行して営業を開始したTMOによる食品館「とまと食品館」に続き、６月１日に他の階もオープンする。共同オフィスは、６月１７日から利用可能となる。４階以上の階の利用方法については今後も検討が続けられる。
※ＴＭＯ：中心市街地活性化法に基づき、商工会、商工会議所又は第３セクターが市町村により認定され、中心市街地における商業集積の一体的かつ計画的な整備を企画・調整・実施する機関
