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2003年08月27日 10:00

行政 : NPO商標問題で異議補正書提出

 シーズを含む6つのNP0団体は、雑誌・新聞の分野で「NPO」という語が商標登録されたこと対して特許庁に異議申立をおこなっている。8月25日、6団体は異議申立を補強する目的で、補正書の提出をおこなった。なお、シーズは、9月3日(水)、文京シビックホール会議室で「NPO商標登録問題を考える」勉強会を開催する。

 

 4月25日に(株)角川ホールディングス((株)角川書店の持ち株会社、以下「角川」)は、雑誌・新聞についての商標として「NPO」を商標登録した。

 角川が「NPO」を商標登録したことで、「NPO」という語を題号にした雑誌や新聞を発行すると商標権侵害になる可能性が出てきた。そこで、7月24日、大阪NPOセンター、大阪ボランティア協会、関西国際交流団体協議会、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会、市民活動情報センター、日本NPOセンターの6団体は、特許庁に対して、この商標登録への異議申立をおこなった。

 6団体によって提出された異議申立書では、商標法の審査基準に照らして、商標の基本である識別性の欠如、NPO活動の根幹にある定期刊行物の題号に「NPO」の語を使うことが制限されることから生じる公益への悪影響などを根拠に、「NPO」が商標登録されたことに異議を申し立てている。

 商標法では、異議申立後一ヶ月以内に、その根拠となる証拠などを追加提出することが出来るとされている。そこで、8月25日、6団体はNPO関係者から集めた既刊の「NPO」という語を含む定期刊行物や異議申立への賛同書をまとめて、「手続補正書」として特許庁に提出した。

 加えて、補正書では、「NPO」という語が公共の財産として定着した言葉であることを証明するために、雑誌、新聞の記事、公的機関の名称など約50項目を列挙して提出した。これらによって、「NPO」1語による商標登録は、識別性が欠如していると同時に、独占的に使用されることが社会公共の利益に反するという異議申立の根拠を補強した。

 また、同日、6団体は特許庁に対して、本件について口頭審理の開催を求める上申書も提出した。

 なお、シーズは、9月3日(水)午後7時から9時まで、文京シビックホール会議室(営団地下鉄後楽園駅)で、「NPO商標登録問題を考える」勉強会を開催する。講師は弁理士の望月尚子氏とシーズ事務局長の松原明など。勉強会では、「NPO」商標登録に対する異議申立に至る経過報告と、商標について考える。

 この勉強会については、NPOWEB内のイベント案内、下記URLを参照のこと。
 https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1280

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