行政 : 旭川市、自治体初の端数クラブ
7月24日、北海道旭川市職員の有志が、月々の給与から100円未満の端数を積み立ててNPO法人などの市民団体を支援する任意団体「端数クラブ旭川」を設立した。自治体の端数クラブは全国初めて。9月から会員募集を始める。
「端数で地域を支えよう!」を合言葉に、旭川市役所の職員有志40人は、給与の端数を集めて社会貢献に活かす「端数クラブ旭川」を立ち上げた。会長は同市の斎藤昴一収入役。
いわゆる「端数クラブ」事業は、富士通や電通などの民間企業では既に行われているが、自治体レベルでは全国初めての試み。
募金額は、(1)100円未満の端数+100円×a(aは任意の数で0か1以上を選択)と(2)50円+100円×aの2通り。3500人の市役所職員のうち約1000人の参加を目指して、9月上旬から参加を呼びかける。当面、端数クラブの事務局運営は、旭川NPOサポートセンターに委託する。
集まった募金は、市内のNPO法人、ボランティア団体などから公募した事業への支援金とする。公募は年明けを予定。有識者からなる審査委員会を設置して支援先を決定する。
この端数クラブは、市職員有志が2001年秋に発起人会を設立して準備を進めてきた。しかし、民間企業と違って、自治体内の任意団体の取り組みに職制を利用することは認められず、給与からの天引きはできない。そのため、会員に対して、毎月の給与の端数を記入する名刺大の会員カードを配布して、年一回、年度末に各課の世話人が集金に当たることになった。
発起人の一人である都市計画課の惣伊田敏行氏は、「端数クラブに参加することで、職員の社会貢献意識も高まるだろう。将来的には、市役所内に限らず、近隣の自治体職員や企業など地域全体を巻き込み、財政支援だけではなく人的貢献にまで発展させていきたい。そのために、この活動をNPO法人化することも考えている。」と語っている。