行政 : 富山県、CB融資で雇用確保
富山県(中沖 豊知事)は、コミュニティビジネス(CB)に取り組むNPO、個人や有限会社などを対象とする融資制度を10月1日から始めた。地域の活性化に寄与するビジネスを資金面で後押しすることで、地域の雇用確保を促す。
コミュニティビジネスとは、地域の課題を地域資源を活用して解決し、その地域の発展に貢献する公益性の高いビジネスのこと。
地域在住の市民が生産・提供する有償のサービスや財を、同じ地域の在住者が消費するという地域密着・循環型のビジネス形態をとる。コミュニティビジネスは、コミュニティの再生、雇用や地域経済の活性化に資するため、新しい街づくりの手法として注目されている。
具体例としては、自宅などを開放したデイケアサービスやグループホームの提供、不登校児のための交流や自由な学習機会の提供などがある。
しかし、こうした取り組みを行うNPOなど事業者の多くは資金力が弱く、金融機関からの融資も負担の大きい利率になることが多い。そこで、10月1日、富山県はコミュニティビジネスの振興を図ることを目的に、事業者が利用しやすい利率設定(年1.65%以内)の融資制度を創設した。
融資の対象となるには、富山県内の各地域で活動を行い、県税を完納していることが条件。加えて、ボランティアではなく雇用対価が支払えるビジネスであること、地域に貢献する事業であること、活動拠点の市町村、商工会などの認定済みであることの3点を満たすことが要件となっている。
資金の用途は設備資金と運転資金。限度額は2000万円。担保、保証人などは、取り扱い窓口となる金融機関の通常の例によることになる。
都道府県によるNPO向けの融資制度は、大阪府、群馬県、長野県、兵庫県、山形県、山口県などでも実施されているが、富山県によれば、「コミュニティビジネスは地域の雇用の受け皿ともなっている。この融資制度では、NPOなどを対象として、こうしたビジネスを経済的に支援することで雇用確保につなげることをねらいとしている(経営支援課)」としている。
富山県のコミュニティビジネス支援融資制度については、富山県サイト内、下記を参照のこと。
http://www.pref.toyama.jp/sections/1300/cb.html