行政 : 科研費、NPOも対象に
文科省は、9月12日、同省の大型補助金である科学研究費の応募資格を平成16年度から拡大する、と発表した。これにより、NPO法人に所属する研究者も応募できるようになる。応募受付は11月17日から20日だが、その前に、機関指定の手続きをする必要がある。
科学研究費補助金(科研費)は文部科学省が所管の大型補助金で、学術を振興するため、人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野における優れた独創的・先駆的な研究を発展させることを目的とするもの。
これまでは、大学、大学共同利用機関、高等専門学校の研究者、国立、自治体立、民法法人などの研究所で、一定の要件を満たすとして文部科学大臣が指定した機関の研究者が対象となっていた。
平成16年度からは、民間も含め学術の振興に寄与する研究を行うすべての研究者が応募できるよう、年齢や所属組織に関わりなく研究内容が評価され、資金配分される体制に改革する。
これにより、NPO法人に所属する研究者も対象になる。
科研費は、重点領域や、金額によって、「特別推進研究」、「特定領域研究」、「基盤研究」などと種目が分かれており、特別推進研究の場合、1研究課題の申請上限額は5億円にのぼる(しかし、この種目は年間10数件程度、と狭き門)。
窓口も、文部科学省と日本学術振興会に分かれている。応募を検討するにあたっては、募集要綱を詳細によみこむ必要があり、注意が必要だ。
応募受付は11月17日から11月20日まで。
しかし、応募するためには、その前に、機関指定の手続きをし、文部科学大臣の指定を受ける必要がある。
この指定を受けるには、組織の設置目的や業務内容、研究計画や、実施方法など、詳細な資料をそろえる必要があり、正式に受理されるまで、何度か文科省の担当者とやりとりがあるのが通常。最終的に完璧な資料を提出する目安が10月20日となっており、文科省では、「申請を考えている方は、早急に連絡してほしい」と呼びかけている。
また、同省の担当者は、「申請の要件として、研究を主目的として設立されていること、常勤の研究者が取り組む研究であることなどについて注意してほしい」と話している。
詳細については以下を参照のこと。
【平成16年度公募要領】
- 「特別推進研究」、「特定領域研究」の公募要領は文部科学省ホームページにてダウンロード可
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/index.htm - 「基盤研究」、「萌芽研究」、「若手研究」の公募要領は日本学術振興のホームページにてダウンロード可
http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/
【機関指定に関する相談窓口】
文部科学省学術研究助成課企画室
代表 03-5253-4111
内線 7484(松本)、7485(下田)
※ 10月1日より担当者が変更になり、上記のようになった。