行政 : 静岡、NPOと補助犬法促進
静岡県(石川嘉延知事)は、NPO法人静岡ピアサポートセンターと協働で、補助犬に対する理解を深めてもらうための街頭啓発運動、出前講座などを開始した。10月1日から全面施行した身体障害者補助犬法をうけたもの。
身体障害者補助犬法は、身体障害者のパートナーである盲導犬や聴導犬、介助犬の同伴を、公共施設や交通機関などが拒むことを禁じる法律。昨年10月施行され、今年10月1日からはホテルやレストラン、百貨店など不特定多数が利用する民間施設にも適用されることになった。
県は、1日から身体障害者補助犬法が民間施設にも適用されたことをうけて、障害者の自立支援をおこなっているNPO法人静岡ピアサポートセンターと協働で、補助犬に対する県民の理解を深めるための相談窓口、出前講座、啓発資料の配布するなどの事業に着手した。
10月1日には、同センター内に補助犬に関する相談窓口「補助犬インフォメーションデスク」を開設。また、盲導犬4頭と介助犬1頭とユーザーが参加して、静岡駅構内などで法施行をPRして理解と協力を求めた。
今後、相談窓口では、障害者を対象とした補助犬に関する情報提供と相談のほか、民間施設の事業者や一般の人たちからの補助犬に対する問い合わせにも応じる。
さらに、来年3月まで、県内100ヶ所を目標にして、実際のユーザーと補助犬が出向く出前講座や街頭キャンペーンを開催して、補助犬法の概要、障害者への接し方、補助犬に対する留意点などを説明する。
また、「身体障害者補助犬のことをもっと知ろう!」と題した小冊子、「盲導犬、聴導犬、介助犬OK!」のステッカーを配布して啓発運動を展開していく。ステッカーは、補助犬を受け入れる商店、飲食店などの施設に貼ってもらうことで、一般の人たちの理解につなげていく。
自身も盲導犬ユーザーである、静岡ピアサポートセンタースタッフの久保田道子氏は、
「補助犬について、皆にもっと知ってもらうことで、障害者の社会参加が促進するといい。健常者の補助犬に対する理解が深まり、商店、飲食店などが受け入れる折に必要な補助犬についての知識などが広まって、町の中に補助犬が自然にとけこむようになればいい。他方、補助犬ユーザーの障害者にも、ユーザーとしての心得など、補助犬についての理解と知識が不可欠なので、そうしたことも伝えていくことで補助犬が普及していくことを願っている。こうした取り組みが全国にも広がっていくことを願っている。」
と抱負を語った。
現在、国内には盲導犬は927頭、介助犬が37頭、聴導犬が15頭いる。そのうち、静岡県には盲導犬が32頭、介助犬が1頭いる。