行政 : J2チーム、消費税「不服」棄却
J2のサッカーチーム、モンテディオ山形を運営する(社)山形県スポーツ振興21世紀協会が集めた会員からの会費に、昨年、山形税務署が400万円弱の消費税の追加課税を通告、これを不服とした協会側が国税不服審判所に審査請求をしていた件で、同審判所は9月末に請求を棄却していたことが分かった。協会側は、これを不満としながらも、裁判所への提訴は行わない予定。
モンテディオ山形の運営団体である(社)山形県スポーツ振興21世紀協会では、1万円の会費を支払う個人会員には、ホームゲーム1試合ごとに1名まで招待入場、また5万円の会費を支払う賛助会員については1試合ごと5名までの招待入場を特典として付与してきた。
山形税務署は、この会費は法人税法上の収益事業にはあたらないものの、対価性があるとして、昨年、会費収入全体に対して400万円弱の消費税の申告漏れを指摘していた。
これに対して、21世紀協会は「会費は営利収入ではなく、法人の原資にあたるもの、つまりは寄附であり、課税扱いはおかしい」として、異議申し立てを行ったが重要部分が棄却されたため、2002年12月に仙台国税不服審判所に審査請求を行っていた。
21世紀協会は、この招待券は実際には17%程度しか利用されておらず、「会費は実質的には寄附である」と主張。また、「百歩譲って課税対象となるとしても、使われた招待券分に対してのみ課税されるべきで、会費全体への消費税課税はおかしい」とも反論していた。
しかし、今年9月26日に仙台国税不服審判所は、審査請求の棄却を決定。同月29日に21世紀協会は裁決書を受理。裁決書には「会費と特典には明白な対価関係がある」と記載されているという。
21世紀協会の神保和史事務局長は、「大変残念であり、今でも納得できない部分がある。しかし、今後も闘うとなると、地裁、高裁などでの争いとなり、これに要する裁判費用等を考えると、やはり余裕がない」と、裁判には持ち込まない予定という。
また、今後は入会申込みの際、『会費は寄附とする』、『特典を希望する』などという項目を設けてチェックしてもらい、特典を希望する会員には、消費税も含めた会費を納めてもらうことも検討中していきたいとのことだ。
NPO法人のなかにも、会員への割引などの特典を設定している団体は多いが、この仙台国税不服審判所の決定に従えば、会費全額に対して消費税がかけられる可能性があるため、今後、大きな波紋を呼びそうだ。
この件に関する昨年8月29日のニュースは、下記のアドレスから。
https://www.npoweb.jp/news_info.php3?article_id=57