行政 : NPOの都市再生モデル事業
9月22日、政府の都市再生本部は、地域に活力を取り戻すまちづくり構想の具体化や実証実験などを支援する「全国都市再生モデル調査」の対象として、NPO提案63件、自治体提案108件を選定した。
都市再生本部(本部長:内閣総理大臣)は、平成13年5月8日、内閣に設置された。環境、防災、国際化等の観点から都市の再生を目指す21世紀型都市再生プロジェクトの推進や土地の有効利用等、都市の再生に関する施策を推進することが目的。
その後、平成14年6月1日には、都市再生特別措置法が施行され、都市の再生に関する施策を迅速かつ重点的に推進するための機関として、法律に位置づけられている。
今年7月9日から8月8日まで、都市再生本部は、都市再生を推進する上で必要な取り組みや実地検証等の調査活動について、「全国都市再生モデル調査」の提案を募集した。
「課題解決の道筋は十分ではないがまちづくり意欲は高いもの」等、全国各地の先導的な都市再生活動を国がモデル調査として新たに支援するのが目的。全国から644件の応募があった。
9月22日、都市再生本部は、応募の中から171件を選定し発表した。
選定にあたっては、テーマや活動に具体性・確実性があり、地元住民や企業、まちづくり専門家などと積極的な連携があることを重視した。
選定された171件のうち、自治体の提案は108件、NPO法人など民間非営利団体からの提案が63件。内容は、観光振興や観光上の効果を見込んだ提案が目立ち、全体の約3割に当たる57件に上った。
このうち、「美しい街づくり推進調査」が選定されたNPO法人都市計画協会は、地球環境・地域環境と調和した、日本らしい美しさと品格を備えた「良質な資産としての都市」を構築する全国運動に取り組む。
同協会の事務局によれば、「過去10年にわたって全国で開催してきたまちづくりイベント“都市計画キャラバン”の実績などをいかして、“美しい街づくり”を全国的な社会運動として展開していきたい。そのための全国ネットワークの形成を目指す。
モデル調査では、まず、中京地域など数地域で具体的な取り組みを開始する」とのことである。
また、自治体からの提案のひとつ、福岡県飯塚市は、「観光および大衆文化の拠点と関連市街地の再生支援活動」として、7月の水害で被災した「嘉穂劇場」と周辺市街地の再生支援活動を展開する。
選定された自治体、NPOには、10億円の予算から1件当たり数百万円が配分され、2003年度中にまちづくりに関する構想の具体化や実地検証など先導的な調査活動を展開する。
全国都市再生モデル調査の実施については、首相官邸サイト内の下記を参照のこと。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tosisaisei/siryou/030922press.html