行政 : 中央労金NPO向け融資拡充
中央労働金庫(東京 岡部晃三理事長)は、10月1日、NPO法人向け融資の金利を最大1%引下げたほか、「つなぎ融資」特別金利を新設した。国内金融機関では最低の金利水準になる。さらなるNPO活動の支援・促進を図ることがねらい。
中央労働金庫では、2000年4月から国内金融機関で最初のNPO向け融資制度「NPO事業サポートローン」を開始していた。同金庫の営業エリアは関東地方1都7県。
今回、この融資制度をさらに充実させ、NPO支援を進めるために、適用金利を最大1%引き下げたほか、新たに「つなぎ融資」特別金利を設定した。NPO向け融資では国内最低水準。
新設されたのは、「つなぎ融資」特別金利。国、または地方自治体からの受託業務や助成金などが対象になる。無担保の場合1%、担保がある場合は0.8%に設定した。先般開始された多摩信金のつなぎ融資(固定金利1%)を意識した水準となっている。
また、これまで、無担保ローンの場合、貸出期間1年以内では、2.875%、1年超3年以内では3.175%、3年超5年以内では3.375%としていた、期間ごとに異なる金利設定も、2.375%と一律に設定、最大1%引き下げた。
担保があれば、1.875%とした(ただし、東京都内に事務所を置くNPO法人は、東京共同保証を利用する必要があり、この場合、別途保証料として無担保0.7%、有担保0.4%が上乗せ)。
融資限度額は無担保が最高500万円、担保を設定する場合は、最高5000万円。返済期間は無担保が5年以内で有担保では10年以内。ただし、運転資金は1年以内。
資金使途は、設備資金、運転資金。個人保証人は一部を除き3名以上必要だ。
同金庫では、当初福祉関連の団体に限って貸し出しを開始したが、2002年3月の労働金庫法の規制緩和を受けて、法人格をもつNPO全体に対象をひろげていた。
事業サポートローンの成約率は16.2%。活動実績が3年以上要求される(任意団体における活動も含む)など必ずしも広き門とはいえないが、これまで1億1300万円(2003年9月末)の融資実績がある。
同金庫営業推進部広報室の山口郁子氏は、
「融資の審査では、ミッション性や住民参加度など、NPOならでは特色に沿った評価を心がけているが、償還能力を無視するわけにはいかない。 今回の金利引下げにより、利用しやすくなり、NPOの育成に寄与できればと思っている。 中央労金では、立ち上がり支援として、助成プログラムも実施しており、NPOの成長の過程に応じたメニューを用意している。ぜひ、利用していただきたい。」
と語る。
中央ろうきん助成プログラムは、11月1日から募集が開始されている。法人格の有無を問わず応募が可能で、人件費を30%まで申請できる。選考されると、スタート助成として最大30万円、事業展開助成として、最大100万円の支援を受けられる。
融資、助成プログラムとも以下のURLの「NPO支援」コーナーを参照のこと。
http://chuo.rokin.com/