行政 : 社会的責任投資NPOが発足
11月7日、大和証券グループ本社、イトーヨーカ堂、日本政策投資銀行などの28の法人・個人が会員となって、社会的責任投資の普及・推進と情報交換を目的とした「社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)」を設立した。「SIF-Japan」は、年内にもNPO法人申請する予定。
社会的責任投資(SRI=Socially Responsible Investment)とは、個人や機関投資家が企業に投資をする際に、儲かっているかという財務的な評価だけでなく、環境対策、法律遵守社会貢献事業などの社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility)をどれだけ果たしているかを考慮して投資をすること。
SRIは、1920年代のアメリカでキリスト教の一部の会派が宗教的倫理観から資金運用を行なうとして、アルコールやタバコ、ギャンブルに関する産業を教会資金の運用先から除外したことがその始まりだと言われている。
SRIは1990年代以降、地球環境問題の深刻化などから、企業の社会的責任が問われるなかで急速に広がり、企業の側でも経営方針の中に社会的責任を果たすことを盛り込み、その進展度について積極的に公表して投資家の期待に応えるようになってきている。
日本では、環境経営を評価した金融商品「エコファンド」が1999年に登場し、現在は、環境だけでなく、雇用、消費者対応、市民社会貢献などの社会性を勘案した10のSRIファンドが生まれている。
こうした機運を受けて、11月7日、大和証券グループ本社、イトーヨーカ堂、日本政策投資銀行などの28の法人・個人が会員となって、社会的責任投資の普及・推進と情報交換を目的とする「社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)」が設立された。
「SIF-Japan」は、年内にもNPO法人申請する予定。今後は、機関投資家、個人投資家、事業会社を対象としたSRIについての勉強会やセミナーの開催、ホームページによる啓蒙活動、国内外のSRI関連情報の発信、投資家と企業間のコミュニケーションの場の提供、および健全なSRI育成のための政策提言などを行っていく予定。
11月7日の発起人会で理事に就任が決まった薗田綾子氏は、
「社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)では、環境への配慮をはじめ、社会的な公正性を含むサステナビリティ(持続可能性)な視点を組み込んだ投資を促進することで、みんな幸せで持続可能な社会の方向にお金の流れを変えていきたいと思う。」
と語った。