行政 : 静岡県、認証権限を市に移譲へ
11月6日、静岡県の石川嘉延知事は、2005年4月の政令市移行を目指している静岡市の小嶋善吉市長と、政令市移行に伴う県から市への権限移譲に関する基本協定を締結した。協定には、NPO法人の設立認証の権限移譲が盛り込まれている。
静岡県は平成13年に、「市町村合併支援本部」(本部長・石川嘉延知事)を設置して、市町村合併を全庁的に支援すると同時に、県のもつ権限の市町村への移譲を進めてきた。
これまでの合併で70万人となった静岡市は、2005年の政令指定都市への移行を目指して準備を進めている。県は10月29日の市町村合併支援本部会議(本部長・石川嘉延知事)で、政令市となる静岡市への事務権限移譲を柱とする第3次権限移譲推進計画(平成16年度~18年度)を策定した。
11月6日、石川嘉延県知事と小嶋善吉市長は、この計画に基づいて、県から静岡市への権限移譲に関する基本協定を締結した。移譲されるのは、法令などに基づく事務が945項目。
地方自治法第252条の17の2では、都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、条例の定めるところにより、市町村が処理することとすることができるとされている。
この法令に基づいて、6日に県と市が締結した協定のなかには、県独自の特例条令による移譲が540項目が盛り込まれている。そのひとつに、NPO法人設立認証の権限移譲が含まれている。
シーズの松原事務局長は、
「NPO法を立法する際、地方分権という時代の要請とともに、中央官庁が認証基準を一元化して厳しくしないように、都道府県が所轄庁になることを歓迎した。
さらに、原則書類審査ということで審査が行われるために、むしろ、NPOの現場にそれほど近くない都道府県レベルでの認証審査が良いと考えていたので、市町村まで認証事務がおりてくると、認証の運用に役所の恣意的な判断が入ってくる可能性がある。
市町村に認証権限がおりていく場合、認証の基準をもっと明確にしていく必要があるのではないか」
と困惑気味だ。