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2003年11月09日 10:00

行政 : NPOが台風被害のサンゴ修復

 10月20日と21日、高知県の柏島で活動するNPO法人「黒潮実感センター」は、8月の台風10号による大波で被害を受けたサンゴ郡を修復する試験作業を、地元のダイビング業者や生物研究所と協働でおこなった。今後、修復状態を観察して、ボランティアダイバーの協力も得ながら完全修復をめざす。

 

 「黒潮実感センター」(神田優センター長)は、高知県幡多郡大月町にある柏島の海の素晴らしさを多くの人に知ってもらい、海の環境保全を推進することを目的として設立されたNPO法人。

 柏島は、周囲3.9キロの小さい島だが、周辺は国内有数のサンゴ群生地。年間約1万人のダイビング客が訪れる。

 しかし、今年8月の台風10号の大波によって、柏島周辺海域のサンゴ郡は大きな損傷を受け、9月に行った調査では、直径1メートルのテーブルサンゴ(イシサンゴ類)が多数砕けていることが確認された。

 20日と21日の両日、「黒潮実感センター」は、地元のダイバー業者からなる「大月地区ダイビング業者部会」(中野正夫会長)と柏島のサンゴの生態などを研究している黒潮生物研究所(岩瀬文人所長)と協働して、損傷を受けたサンゴ郡の修復のための試験作業を行った。

 大きなサンゴの破片は流された先で自然に根づいて成長するが、小さい破片は波に削られていくうちに死んでしまう。そこで、当日は、ダイバーが海底に散乱しているサンゴの破片のうち、生きているものを拾い集め、約4 00個の破片を特殊な接着剤で岩に貼り付けた。

 順調にいけば1-3ヶ月で根づく。経過を観察して、今後は観光ダイバーなどにも協力を呼びかけて完全修復をめざす。

 「黒潮実感センター」のスタッフ津戸真弓氏は、

「私自身、ダイビング客として柏島を訪れて、“島まるごと博物館”と呼ばれるほどの自然の豊かさと美しさに感動して、センターのスタッフになった。

 8月の台風10号の大波は、かつてない猛威によって、柏島の美しいサンゴに大きな被害を与えてしまい残念でならない。

 今回、学術的・技術的な指導を黒潮生物研究所から受けて、潜り慣れた地元ダイバー達が力を合わせて修復にあたった。島に住む人たちが協力して行う取り組みが、島おこしの機運にもつながればいい。

 今後は漁協や行政、さらには観光ダイバーにも協力してもらって、サンゴの修復と保全にあたっていきたい。そのためのサポートをセンターとしては続けていきたい。」

と語った。

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