行政 : ビッグイシュー、東京でも販売
ホームレスの人たちが街頭で販売し、売り上げの一部を生活費にあててもらう雑誌「ビッグイシュー日本版」の販売が、関西に続き、12月4日より東京でも始まった。
「ビッグイシュー」はホームレスの人たちの社会復帰と経済的自立を目的として、1991年にロンドンで創刊された雑誌。現在、世界24カ国で年間約2600万部が売れている。雑誌は街頭で売られ、販売するのはホームレスの人たち。売り上げの一部を生活費にあててもらい、販売の仕事を通じて社会復帰を目指してもらうことが目的。
日本では、ホームレスの人たちの支援策を研究していた大阪市内のNPOのメンバーらが有限会社「ビッグイシュー日本」(佐野章二代表)をたちあげ、今年9月に創刊。関西地方のホームレス約130人が販売員として登録し、大阪、京都、三ノ宮(神戸市)の各駅周辺で販売を開始した。
販売員になれるのはホームレスの人たちのみ。説明会に参加して販売員登録をする。販売員は、はじめに定価200円の雑誌を10冊無料で受け取り、その売り上げを元手に、以後は一冊90円で仕入れ、200円で売り、110円が販売員の報酬になる。
関西で9月に販売を開始した創刊号は採算ラインの4万部にほぼ届き、11月に発行した第2号の売れ行きも好調なため、この動きを東京にも広げることにした。
11月下旬には、新宿区内でホームレスの人たちを対象とした説明会を開催。12月4日の第3号発行にあわせて、同日より、約20人の販売員が、新宿駅、池袋駅、上野駅周辺で街頭販売を始めた。
「ビッグイシュー日本」の佐野章二代表は、
「ホームレスの人たちが雑誌の販売員になるということは、彼らの自立支援が第一の目的だが、社会からはじき出されたホームレスの人たちと一般の人たちの接点になるという点でも意味があると思う。いろいろな人たちが受け入れられる街の風景が、差別のない社会づくりの第一歩になるだろう。」
と語っている。
ビッグイシュー日本のサイトは下記。
http://www.bigissuejapan.com/