行政 : 企業メセナ費、5年ぶりに増加
社団法人企業メセナ協議会は、11月13日に、「2003年度メセナ活動実態調査」の結果を発表した。調査結果によれば、2002年度の「メセナ活動費総額」は前年度比約2割増。1998年以来の増加になった。
社団法人企業メセナ協議会(福原義春会長)は、企業によるメセナ(芸術文化支援)の推進を目的に1990年に設立された公益法人。
同協議会は、1991年より毎年、企業のメセナ活動の実態調査をおこなっている。今年も4月に国内の全上場企業、非上場売上高上位300社、協議会会員企業など計4,109社を対象に、2002年度のメセナ活動について調査した。
11月13日に発表された調査結果によれば、有効回答数は619社。そのうち2002年度にメセナ活動をおこなった企業は6割強の392社。2002年度の「メセナ活動費総額」は前年度比2割増の212億6,398万円で、1998年以来の増加になった。
メセナ活動を実施している392社のうち、約8割の企業がメセナ費を予算化し、約4割がメセナ専任スタッフを置いていると答えた。実施企業1社あたりの活動件数は平均で6.5件。実施されたメセナ活動の分野としては「音楽」がトップで7割の企業が実施している。
メセナ活動の目的については、複数回答で9割の企業が「社会貢献の一環として」と回答。ついで、「地域社会の芸術文化振興のため」、「芸術文化全般の振興のため」、「長期的にみて自社のイメージ向上につながるため」といった理由を半数の企業があげている。さらに、メセナ実施企業の9割が、メセナ以外の社会貢献活動にも取り組んでいると答えている。
今回の調査では、「評価」についても設問した。メセナ実施企業の評価の取り組みは、約7割が「何らかの評価をおこなっている」と回答。評価をおこなうのは「担当部署」が6割、「担当役員や経営トップ」が5割。一方、「特におこなっていない」企業も15%あった。
他方、メセナ活動をおこなわなかった企業の半数は、「資金に余裕がない」ことを理由にあげていたが、実施しなかった企業の半数は「地域社会活動」や「環境活動」など、メセナ以外の社会貢献活動には取り組んでいることがわかった。
企業メセナのこれまでの動向などについては、企業メセナ協議会のサイトを参照のこと。
http://www.mecenat.or.jp/