行政 : 東京都、NPO就業も後押し
東京都(石原慎太郎知事)が今夏に開設する求職者支援施設「しごとセンター(仮称)」の構想が、昨年12月9日の都議会(平成15年第4回定例会)で明らかになった。このセンターでは積極的にNPO就業も後押しする予定。
昨年12月9日の都議会(平成15年第4回定例会)で、樺山たかし都議会議員の雇用対策に関する質問に対して、石原知事が回答したもの。
石原知事は、「しごとセンター(仮称)」の開設によって、求職中の都民の多様なニーズにワンストップでこたえるとともに、東京に集中する民間人材ビジネス会社のノウハウを積極的に活用したサービスを提供するなど、全国に先駆けた新しい就業支援事業を目指したいと答えた。
さらに、答弁に立った有手勉産業労働局長は、「しごとセンター(仮称)」の特色として、以下の4点をあげた。
- ハローワークが対象としていない起業、創業のほか、就農などの多様なニーズに一カ所で対処すること
- 就職活動を支援するためにカウンセリングを中心に、適職診断、能力開発などを行うこと
- 民間人材ビジネス会社を活用して民間のノウハウを引き出して、より高い事業効果を追求していくこと
- 福祉人材センターなどのさまざまな雇用関係の機関を集約して効率的にサービスを提供していくこと
都産業労働局労働部の担当者によれば、このセンターは、求人情報の提供、カウンセリングを重視した就職相談、啓発セミナー、斡旋、就職後の労働相談などをワンストップサービスで行えるようにするという。
建物は、現在、都が高齢者を対象に就労支援をしている飯田橋の「シニアワーク東京」を改修して開設。
運営にあたる財団は「東京都高齢者事業振興財団」の寄付行為(財団の基本規則)を変更して、新名称で再スタートさせる予定。
また、これまでハローワークがあまりおこなってこなかったNPOへの就業支援も積極的に行っていくという。そのために、都内のNPO法人を所管する都生活文化局と連携して、近々NPO関係者との意見交換などを実施して、採用情報の収集などを具体化していきたいとしている。
「しごとセンター(仮称)」は、石原慎太郎知事が掲げた公約のひとつ。深刻な雇用状況を踏まえ、都独自の就業支援を行うために設置される。昨年11月27日に知事本部が策定した平成16年度重点事業のなかにも盛り込まれた。