行政 : 静岡県、障害者雇用企業優遇制度
静岡県(石川嘉延知事)は、12月22日、障害者雇用促進を目的として、積極的に障害者を雇用する企業を入札で優遇する制度を、2004年度から全庁的に導入すると発表した。
静岡労働局の調査によれば、2003年6月1日現在、静岡県内の民間企業の障害者雇用率は、4年連続低下して1.53%となり、法定雇用率(1.8%)を割り込んでいることが明らかになった。
この結果を受けて、静岡県では2007年11月に県内で開催される「国際アビリンピック」(世界の障害者が集い、個々の実用技能を競い合う大会)に向けて、障害者の雇用促進を図るための対応策をまとめ、12月22日に発表した。
対応策では、障害者に対しては、ジョブコーチ派遣制度や職業訓練機会の拡充などによる就業支援を実施する。加えて、企業への働きかけの強化として、入札に際して障害者雇用企業に対して優遇する制度を全庁的に導入するとしている。
具体的には、物品購入に係る指名競争入札では、優遇を希望する業者を追加指名する。また、情報システム開発では100万円以下の随意契約においては、見積もりを取る企業に優遇希望業者を含め、公募型指名競争入札では、障害者雇用状況に応じて追加点数を付与して評価点数に反映させる。
さらに、清掃や廃棄物処理など庁舎管理関係の入札参加資格審査時にも、障害者の雇用状況に応じて追加点数を与え、評価点数に反映させる。
あわせて、建設工事や森林整備などの指名業者の選定に際しても、雇用状況を勘案することを検討するとしている。
同県の商工労働部雇用推進室によれば、物品購入など一部の入札に限って、企業への優遇制度を設けている自治体はあるが、全庁一律に導入するのは全国的にも珍しいという。
県は、2003年度中に企業の雇用実態を調査し、優遇対象とする企業の障害者雇用人数など、優遇措置の詳細を検討。詳細が決定次第、優遇希望業者の登録を受け付けて名簿化し、各部局に配布するとしている。