行政 : NPOによる水俣・川崎展開催
水俣病の教訓を伝える活動をしているNPO法人水俣フォーラムは、水俣病についての展覧会「水俣・川崎展」を1月6日から開催している。水俣病患者の遺影やユージン・スミスらの写真の展示があるほか、今年はじめて、来場者の毛髪水銀調査も実施する。
水俣フォーラムは、1996年の東京展を皮切りに、大阪、沖縄、広島など全国14都市で水俣展を開催、これまでに9万2000人が来場している。
2004年最初の水俣展は川崎市で開かれている。
展示会場はアートガーデンかわさき。会期は2月8日まで。
川崎展では、水俣病事件の発生から現在に至るまでを解説したパネル245枚や、水俣病をテーマにした美術展示、473枚の患者の遺影、水俣病発症量の有機水銀、患者が半年間で服用した薬のカラなどを展示する。一般書店ではなかなか手に入らない水俣病に関する本やビデオの販売コーナーもある。
このほか、水俣病患者と永六輔氏との対談や、映画上映会、シンポジウムなど7つのプロラグラムが川崎能楽堂で開催される。
今回は、新企画として、展示会場に毛髪水銀調査コーナーが設置されている。
これは、人の毛髪に含まれる水銀量を計測することで、その人の体内に蓄積された水銀の量を測定するもの。所要時間は10分程度で実費の一部として800円必要。分析は、熊本県の国立水俣秒総合研究センターが行い、2ケ月後に結果が送られてくる。毎日先着35名まで。
昨年6月に魚介類の摂取に関する注意事項を厚生労働省が発表し、関心が高まっていることから実施することになった。
水俣フォーラムでは、水銀調査について、「おそらく、水俣病患者の方々の水準の量は、一般の方から検出されることはないと思うが、そのようなリスクにどう対応していくか、ということの啓発の機会となればいいと思う。今後は、リスク対応に関するセミナーなども企画していきたい」と話す。
「川崎展」の詳細については、以下のURLを参照のこと。
http://www1.0038.net/~minamataforum/