行政 : メールの議決可能に法改正へ
2月6日、政府のIT戦略本部(小泉純一郎本部長)は、NPO法人の総会の議決権行使について、民間企業と同様に電子メールなどで行えるよう、平成17年度末までに法制上の措置を講じることを決定した。
IT戦略本部の正式名は、「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」。平成13年1月に施行された高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(いわゆる「IT基本法」)に基づいて設置された。
6日に開かれた第23回IT戦略本部会議は、「e-Japan戦略II加速化パッケージ」を策定し、政府として取り組むべき重点施策を明らかにした。
この「e-Japan戦略II加速化パッケージ」では、平成15年7月に決定した政府のIT戦略となる「e-Japan戦略II」を加速させるため、セキュリティ政策の強化、コンテンツ(情報内容)政策の推進、IT規制改革の推進、電子政府・電子自治体の推進など6つの分野について、政策の導入の目標時期を明記している。
そのなかの「IT規制改革の推進」の項で、「これまでの制度のIT化と比べ、IT化が遅れている分野の早期規制改革」にひとつとして、NPO法人の総会の議決権行使を電子的に行えるようにすることが盛り込まれた。
盛り込まれた目標は以下の通り。
これまでの制度のIT化と比べ、IT化が遅れている分野の早期規制改革
(1)総会議決権行使の電子化
民法・中間法人及びNPO法人の総会の議決権行使などを他の民間企業と同様に電子的に行えるよう検討し、2005年度末までに法制上の措置を講じる。(内閣府及び法務省)
現行のNPO法では、総会における社員の表決権については下記の民法第65条が準用されている。
第65条 各社員の表決権は平等なるものとす
2 総会に出席せざる社員は書面を以て表決を為し又は代理人を出だすことを得
3 前二項の規定は定款に別段の定ある場合には之を適用せず
法務省民事局参事官室の解釈では、民法第65条第2項の「書面」について、電子メールは電子情報とみなされ、「書面」とは認められないとのこと。また、同条第3項を適用して、定款で電子メールなどでの表決を認めるよう規定することもできないとのことである。(ファックスももちろん不可)
政府は、NPO法人の総会の議決権行使を電子的に行えるよう、平成17年度末までに法制上の措置を講じるとしている。
「e-Japan戦略II加速化パッケージ」は首相官邸ホームページ内下記を参照のこと。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/040206honbun.html